2020.05.22(Fri)
高齢出産は初産で35歳~。年齢が後ろ倒しになることによる金融資産への影響は甚大!
ライフプラン / 貯蓄高齢出産が珍しくもない昨今です。
今回は、高齢出産によってあらゆるライフイベント(住宅購入や教育費がかかる時期)が後ろ倒しになることによって、どれくらいのインパクトがあるか気になったので、ライフプランソフトを使って試算してみました。
実際に試算してみたのは、30歳で2歳の子どもがいる夫婦と40歳で2歳の子どもがいる夫婦での比較。それぞれ、30歳、40歳での住宅の購入をした場合です。
収支に関しては同条件、40歳での貯蓄額を同じというところでスタートさせたので、『そこまで大きな差はなかろう…』と思ったのですが、改めて比較してみるとてびっくりな結果に!
(やはりアラフォー出産の方が断然厳しい…)
アラフォーで子供を出産するのであれば、
- ・教育費や住宅購入で決して無理をしすぎない
- ・なるべく早めにライフプランを立てて資産形成計画を立てる
ことがまずは基本です!
高齢出産は増加傾向
日本産婦人科学会によると、高齢出産の定義は初産で35歳以降、経産婦で40歳以降となっています。
実際に、35歳以降の出産は増えており、その割合は2018年度で全体の28.7%。(出典: 厚生労働省 出生の年次推移より)
しかも、その割合は、この15年で1.76倍!!となっています。
働く女性の数の増加から出産のタイミングを逃すケースも少なくなく、この傾向は当面続くと考えられています。
同条件で、30歳出産と40歳出産夫婦のライフプランを比較
このブログでも何度か触れていますが、高齢出産の場合、多くのライフイベント(教育費のピークや住宅購入などの出費が伴うイベント)が人生の後ろ倒しになります。
独身時代や、子どもがいないDINKS時代にお金を貯めていれば何とかなるのでは?と考える人もいるかもしれませんが、話はそう単純ではありません。
今回は、
Aさん(夫婦共に30歳で2歳の子供あり。30歳で住宅購入、30年で完済予定。貯金500万円)
Bさん(夫婦共に40歳で2歳の子供あり。40歳で住宅購入、30年で完済予定。貯金2300万円)
の2世帯で、同収入・同支出
の二つライフプランを比較してみました。
注意:貯金額500万円と2300万円で差があるのは、Aさんが40歳になった時の資産が2300万円だったため。つまり、40歳時点での2人の金融資産は同じという前提。
『40歳時点での貯蓄額が同じくらいなのであれば、そんなに違いはないのでは?』と思った貴女。
それはちょっと甘すぎる予測かもしれせん…。
まずは30歳で子供2歳のAさんの金融資産残高です。
1の期間には子どもが既に大学を卒業しているため、53歳~64歳の定年まで、集中的に老後資産の形成に勤しめます。
60歳で住宅ローンも完済し、さらに貯蓄スピードがアップし、資産は約5000万円になりました。
2の87歳時点での資産は約1000万円です。
次に、40歳で子供2歳のBさんの金融資産推移グラフです。
3の時期%(55歳頃)はまだ子供が高校生。
教育費がかさみ、資産はなかなか増やせません。
61歳で子供も社会人となりますが、住宅ローンは70歳まで。
思うように貯蓄は進まず、65歳時点での金融資産は、4,225万円。
その後も4の期間(65歳~69歳)は、住宅ローンの支払いも続くため、資産は大きく目減り。
5(88歳)で金融資産は枯渇します。
AさんとBさん、87歳での資産は1000万円近い差があるのです!
こんなに差が出る理由は何か?
30歳のAさんは前倒しで既に払い込んでいるものが多い
40歳時点での2世帯の金融資産は同額の2300万円。
なのにこの老後の資産の差はあまりにも大きい。
30歳で住宅を購入し、子どもが既に2歳のAさん。
40歳で住宅を購入し、子どもが2歳のBさん。
40歳時点での二人の金融資産は同じ。
ここまで差が出る理由はAさんが40歳になる頃には、住宅ローンの返済も進んでいる上に、教育費も12歳までかかるものに関しては払込済みという状況だからです。
この差は大きい…。
アラフォーでの出産の場合、それまで全く貯蓄していないわけでもないが、後半にこんなに足りなくなるとも思わず、あま~い貯蓄計画や、行き当たりばったりな貯蓄の継続でやり過ごしている人も多いのは事実。
Bさんの場合は、40歳での貯蓄額が2300万円と決して少ない金額でもないのに、老後資金は途中でショート。
実際のご相談でも、出産後に必要なお金を試算したときに『え~っ!!』とびっくりされてしてしまうことはよくあります。
住宅ローン完済も後ろ倒しになり老後資産を侵食
『とりあえず35年で組めて、月々なんとなりそうだから…』
アラフォーで安易に長期のローンを組んでしまった結果、65歳の定年が過ぎても5年、10年と住宅ローンを払う予定の方は沢山います。
老後資金として予定していたものが、ローンの返済に消えていく…。
しかし退職した今、これから家を売却しても、その後住む場所って…とずるずると悩んでいるうちに、大切な老後資産がどんどん浸食されていったりします…。
そんな状況になってしまう前に、少しでも選択肢があるうちに対策を考えましょう。
退職後も続く住宅ローンを何とかしたいと考える方への4つの対処法はこちら⇒
アラフォー出産夫婦がすぐにできる対策
ライフプランを作る
まずお勧めしたいのがライフプランの作成。
ライフプランなしで資産を形成しようとするのは、ジャングルの中を地図なしで探検するようなもの。
まずは、『どれくらいのお金が必要になりそうで、今の貯蓄ペースだとどうなりそうなのか…』見たくはなくても、現実を見ないことには何も始められません!
(年齢とともに受けたくなくなる健康診断と同じとお考え下さい・笑)
ライフプランを立てることによって
- ・いくらくらいお金を貯めたらいいのか?
- ・どんな方法で貯めるのが効率的か?
- ・資産運用するなら、どれくらいリスクを取るべきか?
- ・住宅はいくらくらいのものを買うのが妥当なのか?
- ・子供の大学資金は奨学金を検討する必要がありそうか?
- ・保険は必要になりそうか?
そんなことが分かります。
つまり、ライフプランを作らないことには、具体的な解決法は見つけられないということです。
例えば、
・収入(どれくらいの収入が必要か?何歳まで働く必要があるか?)
・支出(教育費や住宅費をいくらまでに収めるべきか?)
・運用(どれくらいの金額をどれくらいのリターンを目指して運用するべきか?)
どれにおいても、ライフプランなしでは明確な答えを見出すことはできません。
一般論ではなくて、『あなたの場合いくら必要なのか?』をしっかり把握することし、資産形成計画、住宅購入計画を立てていきましょう!
*自分でやるのが難しい人は、アドバイス専門のFP(保険FPだと最終的に保険商品を提案されます)に相談してみましょう。
陥りがちな罠にはこうやって対処!対策法一覧
ライフプランを作った後は、項目別に注意点をまとめてあります。ぜひご参考にしてください。
- 教育費…聖域だと思いこまない。保険で貯めるものだと思い込まない。
- ⇒ついつい習い事にお金をかけてしまうのが悩みの方はこちら
- ⇒積立NISAで教育費を貯めてみたい人はこちら
- 共働きの家計管理…家族口座を作り、お金の流を見える化
- ⇒共働きでお金を貯めたい人のための口座管理方法はこちら
- 住宅費…無理な住宅ローンは組まない
- ⇒自分にとって適正な住宅購入額を知る方法はこちら
- 独身時代のお金…無理のない範囲で運用!
- ⇒独身時代の虎の子をどう運用したらいいか悩む方はこちら
- 収入を増やす…長く働くことも考える
- ⇒長く働くことのメリットを具体的に見たい人はこちら
まとめ
『出産のタイミングが後に少しずれするだけ』なのですが、中長期でみるとその影響は大きい!です。
しかし一般的には、早めに対処すればするほど、選択肢の数は増えていきます。
子どもの教育費をかけすぎたり、無計画に住宅購入を購入する前にライフプランを作ってみましょう。
解決策のヒントは必ずそこに隠されています。
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