2020.12.02(Wed)

『学資保険は意味がない』と気づいたママへ。代わりの選択肢はこれ!

保険 / 教育費・子育て / 資産運用

『は⁉これって意味あるのかな…』

『子供生まれたら学資保険!』そう信じて見積もってもらったところ、ほとんど殖えない学資保険の現実に『これって加入する意味あるのかな?』と思ってしまうママ、沢山いるのではないでしょうか?

…この感想、ズバリ『正常』です!

保険料の多くを債券で運用する保険会社は、マイナス金利の影響を受けて、軒並み予定利率を下げています。

更に、コロナの影響で、日本に限らず世界的に債権の金利は下がり、この傾向は当面続きそうな様子です。

もはや、『保険でお金を貯める意味ってどこにあるんだろう…?』それが現実です。

学費は貯めたい、でもどうやって…?そう悩むママに代わりにお勧めしたいのは、つみたてNISAの活用!

この記事は、学費を貯める時に

  1. 保険を使う場合と
  2. つみたてNISAを使う場合の
  3. メリット・デメリットを比較し、
  4. 自分に向いた方法を選ぶ

ための記事です。

学資保険

殖えても18年後には元金の2~5%が増える程度。

『18年間100万円の保険料払って、18年後102万円になりました。』

これが、世知辛い学資保険の現実。

一時流行った終身保険を10年などで払い、大学入学頃に少し殖えた解約返戻金を受け取るというやり方も、殖え方は学資保険と大差ありません。

ドル建て終身保険に関しても、コロナの影響で米国の金利は下降し、複数の会社でドル建て終身保険の売り止めや、利率の見直し(利率が低い方へ)を行っています。

つまり、『保険で学費を貯蓄する意味』はかつてほど無いのが現状です。

【メリット】万が一の時のみ

そんな中で、保険で学費を貯めるメリットがあるとすれば、それは契約者(多くの場合両親)が亡くなった時の保障でしょう。(保険ですからね!)

学資保険であれば、死亡後は保険料を払わずに満期金を受け取れます。

終身保険の場合では、予め決めておいた保険金額が受け取れ、学費として使うことができます。

【デメリット】学費の上昇に負けてしまう利率かも⁉

最大のデメリットはこれでしょう。

それは、学費のインフレ率に負けてしまう可能性が高いことです。

 

せっかく貯めた学費。

見た目上(額面)での元本が割れてなくても、15年後、20年後学費が上昇してしまったら、18年かけて100万円が102万円に増えたところで学費の上昇に太刀打ちなんてできない可能性大です。

実際に、日本の国立大学の年間授業料は15年間で48万円→54万円に上昇しています。(平成12年~27年。参考データ:文科省国公私立大学の授業料等の推移

もし、今の学資保険(18年後に元本100万円→102万円に殖えるもの)で学費を貯めると、利率は0.11%…。

一方、国立大学の年間授業料は48万→54万円の上昇で、利率は0.78%…。

つまり、学費の上昇率に学資保険の利率がついていけていないのです。

今後の学費の上昇によっては、『学資保険で2年分の大学資金を貯める予定でいたのに、学費上昇で1年半分しか貯められなかった…』そんな恐ろしい結果になる可能性もあり得ます。

【デメリット】払い方・解約の自由度は低い

『だったら、途中で解約して他のものにしよう!』

そう思っても、解約や払込保険料の変更が難しいのが保険商品の特徴でもあり、デメリットでもあります。

場合によっては、意志の弱い人にとってその強制力がプラスに働くこともあるかもしれません。

しかし、世の中や自分の考え・状況に変化はつきもの。

『学資保険で学費の準備は今の時代に合ってない!』と思って、解約しようとすると解約控除がかかり払った金額から手数料が引かれてしまいます。※契約してからの数年は特に戻り率は低いです。

また、育休から復帰してバリバリ…と思って設定した保険料だったけれど、当面時短を続けることになって、保険料の変更を希望することもあるかもしれません。

保険料の変更自体は可能ですが、部分解約扱いとなることも多く、その場合も解約同様、やっぱり一部の解約控除が引かれてしまったり…と契約者が損をしない形で契約内容を変更することは避けにくいのが現状です。※ご契約中の方は、個別に保険会社へお問い合わせください。

つみたてNISA

そんな『保険で貯蓄すること』の代わりとして候補を上げるとしたら、つみたてNISAでしょう。

つみたてNISAは主に投資信託を2037年まで積み立てることができる制度です。(新規買い付け40万/年が上限)

お得になる部分は、運用による利益(分配益など)に対して、非課税(税金がかからない!)であることです。

※通常は運用益に対して20%の税金がかかります。

お給料にしろ贈与されたお金にしろ、私たちはそれなりのお金を受け取る時は必ず税金がかかりますので、これを逃す手はありません!

【メリット】解約や払い方に自在性あり

保険と比較したときのメリットは、払い方(積み立て方)や解約に自在性があることでしょう。

つみたてNISAであれば、いつでも解約でき、積立金額も気軽に変更が可能です。(毎月のように変更することも不可能ではありません)

投資も資産形成も、継続しなければ結果は出にくいもの。

必要に応じて積立金額を変えることができるということは、変化が多い世の中において、積み立てや投資を継続させることのできる重要なポイントとなります。

ただ、意志の弱い人にとってはそれが仇となることもありえますので、注意も必要です。

【メリット】運用次第では教育費の上昇についていける

個人的に最大のメリットだと思っているのが、つみたてNISAの場合であれば教育費のインフレに耐えられる可能性があることです。

投資なので絶対はありません。

でも、金融庁が発行するつみたてNISAの資料の一部を抜粋させて頂きますと、

投資期間を20年取れる場合は、過去にデータにおいては元本割れはなく、2~8%の利回りが実現できていたことが分かります。(国内外の債券、国内外の株を均等に毎月積み立て投資した場合)

◮1:1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったものです。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出しています。これは過去の実績をもとにした算出結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。

(出典:金融庁 つみたてNISA早わかりブック)

詳しくは教育費の貯め方に変化!つみたてNISAで貯める人増えてます!でもご確認できます。

【デメリット】貯めている途中に死亡したら困る

『なんだかつみたてNISAで貯めるのも悪くなさそうだ…』

そう感じるママもいるかもしれませんが、保険と比べた時のデメリットも確認しておきましょう。

それは、貯めている途中に万が一死んでしまっても、保険のような保険金が下りてきたりしないこと。

万が一の場合は、状況によっては積み立ての継続ができないこともあり得るでしょう。

でも、対処法もあります。

それは、収入保障保険など(死亡時に毎月設定した保険金が受け取れる保険)の保険金額に、生活費だけでなく教育費も入れた形で保険金額を設定すること。

実は、30代~40代の掛け捨ての死亡保険料は、少なくとも10年以上安くなり続けています。

『昔加入した保険はお得なものが多い』という認識の人もいる意かもしれませんが、掛け捨ての死亡保障において、それは当てはまりません。

10年前の保険から、今の年齢で入り直した方が、より安く加入できる例も沢山あります(健康状況にもよります)

割高になり、利率も良くない貯蓄性の保険に無理して加入するより、保険は保障と割り切って、掛け捨てもので準備し、残りは運用して育てていくというのは、かなり合理的な選択肢だと考えられます。

詳しくは出費がかさむアラフォー出産に貯蓄型の保険はお勧めしない!保険と積立(投資)は切り離して!をご覧ください。

まとめ

教育費の上昇の可能性、最近の貯蓄型保険商品の低利率…。

その背景を考えた上で、『これまで通り保険で積み立てることに果たして意味があるのかどうか?』をしっかりと判断していきましょう。

教育費上昇の可能性があったとしても、『元本保証にこだわりたい』と考えるママであれば、学資保険が合っています。

 

個人的には、上記背景を考慮しても、税金面においても、『保障』と『資産形成』はしっかり切り離して準備し、資産形成には『運用』を取り入れていくことは、中長期の先のお金を準備する上では最適ではないかと考えます。

 

また、アラフォー出産ママの場合は、つみたてNISAだけでない選択肢もありますので、こちらも参考にしてください。(こちらの方がお得度は高いです)

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