2020.12.01(Tue)
老後資金はいくら必要?夫婦で必要なお金を計算する方法。
老後資金・確定拠出年金(iDeCo)アラフォーでの出産となると、教育費も気になるところではあります。
しかし、30代よりもぐっと『老後』や『退職後』というワードがより現実的に感じられるお年頃でもある、この40代。
かく言う私も、確実・着実にアラフィフの域に近づいており、以前にも増して年金記事が目に留まります。
2019年に『老後2000万円問題』で世の中がざわつきましたが、『一体ウチの場合、いくら準備すればいいの⁉』
そう感じるアラフォー出産ママも多いようです。
今回は、アラフォー出産・共働き夫婦の場合、どんなふうに自分にとって必要な老後資金を算出するか、必要な5つのステップをご案内いたします。
- Step1:現在の生活費を把握する
- Step2:老後送りたい二人の生活を想像する
- Step3:教育費の終了時期や住宅ローンの完済時期を確認する
- Step4:二人の公的年金を確認する
- Step5:二人の退職金を確認する
Step1:まずは現在の生活費の把握から
『今』という時間は常に、『未来』へとつながっています。
『老後の生活費が一体いくら必要なのか、皆目見当がつかない…』そんな人が目安をつけるには、『まずは、現状の生活費の把握すること』です。
『生活費』と一言で言っても、定義はそれぞれです。
FPとして複数のライフプランソフトに触れ着た結果、『生活費がどこからどこまでをカウントするか?』が分かってはいますが、一般の人にとっては『えっ⁉これも生活費に入らないの?』…と意外と『生活費とは別に考える品目や金額が多い』というのが現実のようです。
生活費以外のコスト(生活費に入れないコスト)は、以下になります。
- ・住宅ローン
- ・住宅関係費用(固定資産税、火災保険、修繕積立金、リフォームなど)
- ・教育費(塾代などの学校外費用も含む)
- ・社会保険料や税金
- ・保険料(貯蓄性のもの含む)
- ・投資信託やiDeCoなどの積み立て
- ・車関係の支出(駐車場、車検代、車の買い替えなど)
- ・旅行など非日常的支出
これら上記以外にかかるお金が生活費です。
例えば、
手取り年収800万円で、住宅ローン年180万返済し、教育費に年100万円払っている夫婦の月々の生活費(それ以外の生活費外支出はないものと仮定)は、
(800-180-100)÷ 12= 43万円
となります。
老後資金を知りたい場合、そこから(43万円)夫婦2人だったら一体いくらで生活できるのだろうか?を更に考えます。
しかし、ここで単純にその数字を老後の生活費としてはいけません。
注意点が2点あります。
注意点①子ども固有の支出はカウントしない
子どもが育ち盛りで、よく食べる…スマホを持ち出した…など、子どものための支出がそれなりに大きい場合は、そこを考慮して老後生活費を設定しましょう。
夫婦二人の支出として考えると、現在の生活費の0.8掛けから0.9掛け程度になるケースもあります。
例えば、前述のご夫婦の老後資金の場合だと、
43万×0.8=34万円
となります。
子どもにかける支出のウェイトは世帯によって違いますので、ご自身に近い数字を当てはめてみましょう。
注意点②インフレ率を考慮する
老後はあなたにとって何年後の話になりますか?
15年後?20年後?それ以上先の将来でしょうか?
その時物価がどうなっているか、誰にもわかりませんが、過去20年で考えると確実に物価は上昇しています。
インフレ率(物価上昇率)を全く考慮せずに老後資金を考えるのは非現実的です。
将来のインフレ率が分からない場合は、過去のデータを参考にするなどして自分が納得するインフレ率を乗じて、老後資金を計算してみましょう。
ちなみに、2010年~2019年のインフレ率は約0.5%です。(IMFのデータより)
Step2:老後送りたい生活を考える
では次に、あなたが送りたい老後生活をイメージしてみましょう。リタイヤしたらやりたい事ってありますか?
仕事を辞めていれば、毎日が日曜日。時間はたっくさんあります。
旅行? ゴルフ? 陶芸? 孫のお世話?…夢は広がりますよね。
『あなたが何をしたいか?どんな生活を送りたいか?』それによっても、老後必要なお金は変わってきます。
強く望む老後生活があり、それが現在の生活と大きくかけ離れる(大きく今よりお金がかかりそう)のであれば、それを基準にして老後生活費を設定するべきです。
逆に『田舎で自給自足をしたい』と考える場合は、それに即した形での生活費を考えるべきです。
Step3:二大支出終了時期の確認(教育費と住宅ローン)
30代前半の出産と違って、アラフォーの出産の場合注意が必要なのがこのポイント!
教育費や住宅購入などの大きなライフイベントが後ろ倒しになっていることが、老後の生活費に大きな影響を与える可能性があります。
例えば教育費の場合、アラフォーでの出産が故に子どもの教育費がピークになる時期(18~22歳)と退職時期(60~65歳)が近かったり、大学院進学などで退職時期を超えてくる…そんなことは珍しいことではありません。その結果、老後資金の一部に教育費を組み込んでおく必要があるケースも多いです。
また、最近ではアラフォー出産に限らず住宅ローンを75歳まで組んでいる人も少なくありません。
2020年10月5日の日経新聞の記事によると、2020年の住宅ローン利用者の平均完済年齢は73歳…。
一体何歳まで働くつもりなのか?
73歳まで組んでいる場合、もし70歳で退職したと仮定しても、繰り上げ返済しなければ退職後も住宅ローンが残りますよね。
住宅ローンが退職後も継続する場合は、その金額を織り込んで老後資金を準備しておく必要があります。
Step4:夫婦の年金受取額を確認
ここまで支出を確認してきましたが、さぁ、いよいよ収入を考えるところまで来ました。
フルタイムで働く会社員共働きであれば、その夫婦の老後で最も頼りになる存在が『公的老齢年金』。
世帯収入が同じ2世帯だとしても、片働き(片方は専業主婦・主夫)と、共働き会社員の世帯では、受け取れる老齢年金には明らかに共働き世帯が多くなります。ライフプランソフト大成功家族を使って筆者試算。詳しくは共働きのメリットをFPが解説へ→)
『共働きで夫婦が厚生年金に加入していること=老後に非常に有利』であることは間違いありません。
そんな超重要な老後資金の柱の一つである年金だからこそ、一体夫婦でいくらもらえる予定なのか?事前にしっかり確認しておきたいものです。
互いの年金定期便で早めにチェック
自分の年金の確認の方法としては、定期的に届く年金定期便でチェックしたり、日本年金機構の年金ネットで確認ができます。(ログインIDとパスワードが必要)
年金額は、その方の働いた期間、収入、雇用体系などによって違います。
1980年生まれだから大体いくらくらい…なんて単純に分かるものではありません。
だからこそ、一人ひとりの年金がどれくらいになりそうなのかしっかり把握しておく必要があります。(平均値などに惑わされないようにしましょう)
例えば、新卒で就職したけど、5年後フリーで活動し、10年後にはまた会社員…
なんていうちょっと独自のキャリアパスだったりすると、さらに受け取れる年金は一般的な平均年金受取額から離れたものとなる可能性が高いです。
共働きだからと言って気楽に考えていたら、長期年金未納期間があってびっくり!なんてことが無いように、早めに互いの年金定期便のチェックはしておきましょう。
Step5:夫婦の退職金をチェック!
老後の生活費を支えるもう一本の柱、それは退職金。
夫婦共に退職金制度がある会社に勤めていれば、退職金もそれなりのボリュームになるはずです。
それがいくらくらいになるのか?
自分の会社の退職金制度について詳しくない方は多いですが、もし今の会社で勤め上げる前提で考えるのであれば、そろそろ退職金制度や金額についても確認しておきましょう。
【老後準備金<老後必要資金】であれば、すぐに準備開始!
ここまできました。
老後必要になりそうな金額が分かりました。
そして、老後受け取れそうな金額も分かりました。
もし、
老後のために準備できている資金<老後必要資金
であれば、その差額があなたにって必要な老後の準備資金です。
その差額を埋めるために、今日からでも積立を始めましょう!
老後の準備方法としてメジャーなものは
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・つみたてNISA
などが挙げられます。
詳しくはこちらでご確認ください。(詳しくは、アラフォー出産で初めて投資するとしたらiDeCoとNISA、どっち?)
まとめ
人の不安の原因の多くは、『問題が明らかになっていない』や『よく分からない』ということに起因することがほとんどです。
老後資金の場合、確かに将来のことなので不確定な要素はあります。
でも、このままの生活が続いた場合、自分が老後にかかりそうな費用や、受け取れる予定の年金額や退職金は目安が付けられるはずです。
『先のことだから…』
『面倒だから…』
と先延ばしにするのは禁物です。
『現実を把握すること』
ただそれだけで、将来への不安感はかなり軽減されます。
5つステップで自分にとって必要な老後資金を計算してみましょう。
- Step1:現在の生活費を把握する
- Step2:老後送りたい二人の生活を想像する
- Step3:教育費の終了時期や住宅ローンの完済時期を確認する
- Step4:二人の公的年金を確認する
- Step5:二人の退職金を確認する
自分で計算するのが難しい方は、独立系FP事務所であれば、希望しない商品を勧められることもなく相談することも可能です。(弊社でも承れますのでお気軽にお問い合わせください。)
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