2020.06.19(Fri)
資産運用の初心者はこの3つで失敗しがち!投資で大失敗しないために。
資産運用多くのご相談者の投資状況を日々確認していると、『おっ…これは。…ちょっとまずいのでは』と思う運用をされている方に少なからず出会います。
将来必要なお金を資産運用で準備する人も増えている昨今、運用での手痛い失敗は自分の人生にも大きな影響を与える可能性も。
特に投資初心者の方のために、『ありがちな資産運用の失敗』をあらかじめ知っていただくことで、致命的な資産運用での失敗を避けて頂くための記事です。
- やってはいけないことリスト
- ・お金を一気に動かす
- ・『分散投資』を誤解したまま投資する
- ・リスクの確認をしない
投資においては、大きく増やすことより致命的に減らさないことが重要!
あなた自身のライフプランに合わせたリスクの範囲内で運用をしてください。
お金は一気に動かさない
『なんとなくお金が貯まってきたから、投資したいな』
今までコツコツ貯めてきた貯金が、まとまった金額になってきたタイミングで投資を考える方は少なくありません。
確かに、投資をする前には『生活費の半年分は口座に確保できていること』や『緊急予備資金は現金で準備できていること』が大前提。
しかし、ここでせっかく貯めた大切なお金を一気に投資することはお勧めできません。
投資の基本は、長期分散。
その分散には、投資先だけでなく投資するタイミングも含まれてます。
投資を始める時も、一気にお金を動かすのではなく、コツコツと毎月買い付けるような形を取り、ある程度時間をかけて、投資資産を増やしてください。
時々いらっしゃるのが、たまたま立ち寄った金融機関で、声をかけられ、勧められるがままに投資信託などを一気にまとまった額で購入しているケース。
(おそらく、ちょっとずつ金融商品を購入されるより、大口での購入の方が売り手側の販売手数料が一気に入るため勧められていると考えられることもあります。)
例えば、そのタイミングが、もし相場が急激に下落するような〇〇ショックの直前だとしたら?
一気に入れた資産が元本を取り戻すまでに、下手すると数年以上かかってしまうこともあります。
そして、この『お金を一気に動かさないこと』は投資資産を売却して、現金化する時も同じ。
ライフプラン上そのタイミングで必要なお金以外であれば、運用中の資産も一気にお金を動かさず、少しずつ現金化することで安い時に換金することを避けられるよう工夫しましょう。
分散投資の『分散』が上手くできていない
ネットでいろいろ調べると、『投資には、どうやら分散すること大切らしい』と気が付かれる人も多くいらっしゃいます。
『一つのかごに卵を全部入れるな!』※という話は有名です。
※投資先の資産クラスや個別銘柄などにすべての投資資金を入れないで、分散させましょうという話
でも、『適切に分散できているか?』というのはまた別の話。
ご相談者:『分散投資しています。』
FP(私):『どんな風に分散されていますか?』
ご相談者:『外国株70%と、米国中心株ファンド10%と、新興国株20%です』
FP:『…そうですか…(うーん)』
という感じす。
確かに資産クラス(日本株、外国株などの投資対象となる資産の種類)は分かれてはいます。
ご本人もちゃんと分散されていると思っていらっしゃるようです。
しかしご相談者の投資先、大きく分けてみると外国株というところは変わりません。
これって、本当に分散の効果を得られると言えるのでしょうか?
例えばここで、家電製品屋さんで例えてみましょう。
小さな家電屋さんで多くの商品が取り扱えないとします。
選べる商品は2つ。
店舗Aでは、扇風機と製氷機を売っています。
店舗Bでは、扇風機と電気毛布を売っています。
この二つのお店に関して、売り上げが年間通して安定しているのはどちらでしょうか?
確かにどちらの2店舗も、違う商品を販売しています。
しかし、店舗Aでいうと、もし、その年の夏が超冷夏だった場合の売り上げの打撃って非常に大きいと予想されます。
一方、店舗Bでいうと、もしその夏が冷夏だとしても、冬に電気毛布を売れば、年間の売り上げとしては店舗Aよりも影響が少ないはずです。
これこそ本当の分散効果と言えるのではないでしょうか?
つまり『リスクをより小さくすること』これが分散の目的です。
あなたの投資が本当の意味で適切に分散されているかどうか?
あなたが、『これ増えそう!』と個人的に思っているところにお金が偏ったりしていませんか?
特に初心者の場合は、分散している気になっているだけで実際はできていないことも多いので注意が必要です。
リスクの確認をしていない
投資するからには、勿論お金を増やしたい!という想いでスタートする人がほとんどでしょう。
もちろん、一時的に元本が割れることも理解している上で投資をされているはずです。
先のご相談者のように、ほとんどの資産を海外株式で運用しているとなると、リーマンショック級の大きなショックに見舞われたときに、ほとんどの投資資産が海外株のため、運用資産が半分程度に一時的に減ってしまう可能性があります。
参考ページ GPIFのホームページ 各資産のリスクと期待リターン
もちろん、元本保証がない、一時的に元本を割り込むなどの理解はしている方ばかりだと思いますが、『最悪の場合、どの程度まで自分の資産は減ってしまう可能性があるのか?』をちゃんと理解せずに投資を始めてしまう人も少なくありません。
しかし、それぞれの資産クラスには目安となるリスク(資産がどの程度プラスとマイナスに動きそうかというブレ幅)があり、『ここまでの下落だったら耐えられる!という目安をつけること』も可能です。
主要資産のリスク参考ページ GPIFのホームページ 各資産のリスクと期待リターン
投資には長期継続することで、メリットが沢山あります。
まずは自分で投資が続けやすい環境を作ってあげましょう。
『運用が最悪の場合、どれくらいまで資産が減りそうかの目安をつけてあげること』で余計な心配は減り、投資が続けやすい環境になるはずです。
まとめ
投資の王道は『長期・分散』と考えます。
しかし、『分散』一つとっても、誤解したまま投資をしている人は後を絶ちませんし、リスクをきちんと把握しないことで、みだりにリスクを取った結果想像以上の資産の凹みに落ち込み、投資をやめてしまう人も少なくありません。
- やってはいけないことリスト
- ・お金を一気に動かす
- ・『分散投資』を誤解したまま投資する
- ・リスクの確認をしない
でも、上記3つをちゃんと守れば、あなたの資産を致命的に減らして『投資で大失敗!』なんてことを避けやすいと考えます。
難しく感じる方や途中の下落で不安になってしまい運用が継続できないとお感じの方は、専門家に相談してみることも一つの選択肢としてお考え下さい。