2019.05.14(Tue)

iDeCoで運用を始めてから、何もしてない人必見。見直しの重要性について

老後資金・確定拠出年金(iDeCo) / 資産運用

このところ、様々なメディアで話題になっていることもあり、iDeCoを始める人の数は年々増えてきています。

始めてみたのはいいけれど、開始時にアセットアロケーション(資産配分比率)を組んだまま放置し続けている人が目立ち始めています。

そもそも老後の生活費の補足としての位置づけであるiDeCoだからこそ、長期運用を継続するにあたり気をつけていただきたいことがあります。

 

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iDeCoの制度内容について

お国の制度ということもあり、iDeCoには自分自身ではコントロールできない要素もあります(将来変更の可能性もあります)が、まずこの制度の目的は老後の生活費の補完するための制度としてご理解ください。

iDeCoは税制面の優遇において優れているところが沢山あります。

しかし個人が自由に買い付けできる投資信託の積立運用と違い、iDeCoならではの決まり事もあります。

積立期間

IDeCoは現在60歳まで積み立てることが可能です。(今後法案が通ればは65歳までの見通し)それ以降は積み立てることはできません。

受け取り方

受け取り方法は3つあります。

①一時金として一括で受け取る

受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら、70歳になるまでの間に、一時金として一括で受け取れます。

②年金として受け取る

iDeCoを年金で受け取る場合は有期年金(5年以上20年以下)として取り扱いです。

受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら、5年以上20年以下の期間で、運営管理機関が定める方法で支給されます。

③一時金と年金を組み合わせて受け取る

受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達した時点で一部の年金資産を一時金で受け取り、残りの年金資産を年金で受け取る支給方法を取り扱っている運営管理機関もあります。

アセットアロケーションを変えていくことの重要性

アセットアロケーションとは…

アセットアロケーションとは、どの資産クラス(日本株、外国株、外国債券等の投資対象とする資産の種類)をどれくらいの割合で運用するか?を決めることです。

このアセットアロケーションは、投資において非常に重要で、運用成績の約90%を決める要因となると言われています。

運用を始める際に、自分に合うアセットアロケーションを組む方も多いと思います。(決めてない方は、まずはご自身に合うアセットアロケーションを組むことからはじめましょう。)

それはそれでとても良いことなのですが、気をつけて頂きたいのはその後です。

リバランスをしましょう(課税繰り延べのメリットを利用)

分散投資運用を続けていくと好調な資産とそうでない資産がでてきて、全体のバランスが崩れてきます。

そもそも、『どのくらいのリスクを取って(もしくはどれくらいのリターンを求めて)運用をしようか…?』と考えた上で、確定拠出年金の資産運用比率を決めて運用をしているのに、『せっかく決めた配分比率がくずれてきてしまう』のです。

例えば、ある年の株は世界的に好調だったとしましょう。

世界株のファンドをそもそも50%で運用していたつもりが、気付いた時には株価の上昇のため全体の60%まで増えていたりします。

『このまま増えていったらいいじゃない?』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もし〇〇ショックが突如起こり、世界全面株安になった場合、想定していた以上に資産が一時的に減ってしまうことがありえます。

つまり、長期放置しすぎたため、予定していたよりも過大なリスクを背負ってしまっていたわけです。

そのためリバランスといった、運用によって崩れたアセットアロケーションを整えるための作業が時々必要になってきます。(目安としては1年に1回程度)

 

リバランスは、それを本来あるべき設定に戻すべく好調だった資産クラスを一部売却し、替わりに不調だったものを買い増すという作業です。

 

利益を出ているものを売却すると課税対象になるのでは?

 

つみたてNISAや一般NISAの口座ではない口座の投資信託に関して、利益が出た際の売却には利益に対して20%の課税があります。

しかし、このiDeCoの中で行う売却においては、課税されないのです。(特に1年間に複数回のリバランスには費用がかかる運用機関もあるので、各自ご確認ください。)

『利益に対して20%の課税がない』のであれば、リバランスをしない理由はありません!

時期を決めて、年に一度のリバランスを実行しましょう。

 

残り運用期間とアセットアロケーション

その次に注目していただきたいのはご自身の残りの運用期間です。

過去の様々なデータを見る限り、運用期間が10年を切ってくると分散投資をしていても元本割れが避けにくくなる傾向があります。

自身の運用資産や他のバランスファンドを振り返ってみても、2008年にあったリーマンショックなど大きなショックがあった場合には、元本までリカバリーするのに数年かかることも珍しいことではありません。

iDeCoを始められた年齢が30代40代と若く、退職まで10年以上の期間が見込まれる場合には、積極的な運用で資産を増やそうとすることもあるでしょう。

しかしそのまま50代になっても、同じ積極的な運用を続けてしまい、退職直前にリーマンショックのような大きなマーケットの下落に遭遇してしまった場合は、資産をリカバリーする時間的余裕は残されていません。

そういったことを避けるためにも、退職までの運用期間を見据えながら積極的運用→成長運用→安定成長へアセットアロケーションをシフトしていく事(リアロケーション)が重要になってきます。

このように、運用に対するリスク許容度が変わった時にアセットアロケーションの方針自体を変えるリアロケーションを節目節目で行ってください。(例:30代、40代、50代で一度)

 

運用で大切な事は、いかに大きな利益を出すかよりも、いかにに負けないようにするかです。

ご自身の残りの運用期間に合ったアセットアロケーションを適宜見直し・確認することで、より盤石な資産形成を進めてください。

 

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