2023.05.29(Mon)
子どものお小遣いを電子マネーで。必ず抑えておきたい4つのポイント!
マネー教育中学生になると多くの子どもがスマホを持ちます。
モバイル社会研究所の調査によると、8割以上の中学生がスマホを所有しているとのことで、中学生はまさに『スマホを持っていて当然』の様子です。
我が家も、中学受験が終わったウチの娘にこの春からスマホを持たせていて、ラインや動画を楽しんでいるようです。
…でスマホを持たせてみると、親として考え始めるのが『お小遣いを電子マネーで持たせることはどうなのか?』ということ。
親自身もキャッシュレス決済の機会が増え便利さを享受している上に、現金にはない紛失に対しての安全性の高さや送金の手軽さを考えると、電子マネーでのお小遣いを検討したくなります。
しかし電子マネーならではの注意ポイントもありますので、導入前にしっかりと確認しておきましょう。
電子マネーをお小遣いにうまく利用するポイントは
親子間でしっかりルール作り(約束)をしておくこと
です。
スマホの時と同じですね!
では、今回はスマホを持つ子へのお小遣いについて共有しておくべきこと、特にキャッシュレスでお小遣いを渡すときの注意点をご紹介いたします。※あくまで我が家で作ったルールです。
ここでつまずくと、将来に渡ってお金に苦労する大人になる可能性もあるため、ぜひ最後までお読みください。
我が家のお小遣いの役割について
お小遣いについての約束:欲しいものはお小遣いで。
目的①:『必要なもの』と『欲しいもの』をしっかりと区別できるようになってほしい
目的②:欲しいものが高額であるときは、計画的にお金を貯めるという経験をしてほしい
まずは『こどもになぜお小遣いを渡すのか?』子供と共有しておきましょう。
我が家の場合、現在中一の娘ですが小学生の頃は『お金』というものを認識してほしくて、子どもにお金が必要な時は敢えて現金で渡しており、定期的なお小遣いはあげていませんでした。
現在はPAYPAYでの送金でお小遣いを渡していますが、まだ毎月の必要額が分からないため『月々いくらのお小遣い』と決めずに様子を見ている段階です。(将来的には月々渡す可能性あり)
お小遣いの用途として娘本人は、主に飲食費(部活後のジュースなど)、交際費(友達のお誕生日プレゼント)を考えているようです。
必要なもの(文具品など)は親が買う予定で、本人が『欲しいもの』は本人のお小遣いから買うルールになっています。
今はお小遣い制度を始めてまだ1カ月ほどですが、数カ月経過後に毎月のお小遣いを渡すということになった場合は、欲しいものが高額の場合はお金を貯めて自分で買ってもらうことになっています。
このルールによって、娘には『必要なもの』と『欲しいもの』をしっかりと区別できるような力と欲しいものが高額であるときは、計画的にお金を貯めるという力を持ってほしいと考えています。
お小遣いを使う時の約束
①お金を使うたびに金額と用途を親に報告
目的1:子供にお金を使ったという意識をしっかり持ってほしいため
目的2:親がいくら/何に使ったかを認識するため
次に、お小遣いを子どもが使う時のルールを共有しておきましょう。
キャッシュレスで怖いのが、子どもにお金を使ったという概念が残りにくいこと。
そして、子どもが何にお金を使っているのか分からないこと。
子どもに少しでも『お金を使った』と認識してほしいので、敢えてPAYPAYで決済するたびに用途と金額をラインで報告してもらっています。
これによって本人にも『なんとなくお金使ってたみたいでお金無くなってた…』ということは無くなりやすくなります。
…これ。実は、結構重要なポイントなんです。
仕事柄、大人になってから支出がコントロールできない方のお話しを聞くことが過去に何度もありましたが、その理由は多くの場合で一致します。
それは『何か大きなものに使っていてコントロールできない』というよりも、『日々の細々した無意識な支出を自分で上手く制限できないこと』が多いことです。
そう、まさに生活習慣病のようなもの。
カフェインやアルコールのような嗜好品摂取を適量にコントロールできなくて健康を害するのに、似ているのです。
多くの方のお金の使い方を見てきた経験上、この辺りは大人になってから変えようとしてもなかなかハードルが高いケースが多いため、できれば(というか全力で!)お金を自分の意志で使い始めるこの時期に矯正しておきたいところだと考えています。
②月末(もしくはお金を使うたび)に残金を親に報告
目的:自分が使えるお金は有限であることを認識するため
もう一つ、キャッシュレスで怖いのが子どもが『お金は湧いて出てくる』と思ってしまうこと。
子どもには、月末の電子マネーのアカウントの残高を必ず報告してもらうことにしています。
先日も、ママ友との会話でびっくりな事件を聞きました。
子どもがなかなか帰ってこないので、帰宅後理由を聞いてみると『交通系ICカード(スイカなど)を使って通学路から外れたお友達と出かけて、そこで飲食を楽しんで帰ってきた』のが遅くなった理由だったとのこと。
…勿論娘さんには悪気はなかったのです。
ただ、スイカにお金さえ入っていればいつでもどこでも行けるし、お腹が空けばスイカが使えるお店で何か買えば解決するし…ということで『スイカ使い放題状態』になってしまっていたというお話でした。
これ、明らかに『お金を使っている』という意識の欠如に繋がっていくと思います。
少なくとも月に一度は(慣れない間は毎月でも)親子で電子マネーのアカウントにある残高を『これだけ減ったんだね』ということをちゃんと確認して、お金は湧いてこない!ということをちゃんと理解してもらう必要があります。
親御さんへのアドバイス:子どものお小遣いを自動チャージすることはお勧めしません。便利さより弊害が勝ってしまう可能性が大です。
③交通系ICカード(スイカなど)は交通費以外で使わない
目的:お小遣いの出どころを一つにすることで管理をしやすくする
最後のお約束は、交通系ICカード(スイカなど)は交通費以外で使わないということです。
ママによっては子供が月にいくら使っているか明確に把握できていないケースが電子マネーでのお小遣いの場合、本当にあります。
その理由は、子どもが自由に使える電子マネーを複数持っていたり、残金が一定額以下になるとオートチャージ設定になっているため全体像を把握しにくくなっているからです。
一都三県の中学生の場合は特に、電車に乗って中学校から通学するケースも多いことでしょう。
学校には定期券で通うとはいえ、休日の家族での外出や学校での課外授業で公共交通機関を利用することもよくあります。
よって交通系ICカードには、ある程度のお金をチャージしている場合も多いと思います。
しかし、この交通系ICカードを子どものお小遣いとして自由に使わせては絶対にいけません!(全体でいくら使っているのか圧倒的にわかりにくくなってしまいます)
子どものお小遣いは、『お小遣いで使うのはPAYPAYだけだよ』というように出所を一つにしておくことで管理をしやすくしておくことが必要です。
まとめ
これから将来に向けて、様々な決済が現金に戻る可能性は低いでしょう。
私たちも、そして私たちの子どもも現金でなくカードや電子マネーで決済することが当たり前の世の中になっていきます。
キャッシュレスでの決済が増えることで、より支出を把握しやすかったり、手軽に送金できたり、盗難のリスクが減ったりすることもあるでしょう。
しかし、決して良いことばかりではなく同時に以下のようなリスクも潜みます。
・お金を使っているという感覚が希薄なまま大人になってしまう
・お金は湧いてくるものだと勘違いしてしまう
・支出をコントロールできない大人になってしまう
特に、大人になってから支出のコントロールをできるように人が変わることはとてもとても難しいものです。(これまでのご相談経験から実感)
大人になって、キャリア形成に成功し大きく稼げる人間になったとしても、支出をコントロールできなければ一生お金に苦労する人生になってしまいます。
『お小遣いを自由に使えるようにしてあげよう』…そう思ったら、子どもにはお金だけでなくお金の使い方も一緒に贈ってあげましょう。
きっと将来、子どもに感謝されるはずです!