2023.03.06(Mon)
コロナ後激変!留学事情。かかる費用と親としてできることについて。
教育費・子育て最近ライフプランのヒアリングしているとよくあること…。
『子どもを留学させるとしたら、どれくらいかかりいますか?』
『高校から大学の間のどこかのタイミングで留学をさせたいと思います』
そういった『留学の予算を教育費の一部に組み込んでシミュレーションしてほしい』というご要望を30代~40代の子どもを持つママから頂くことが圧倒的に増えています。
将来は世界で活躍できるように育ってほしい…そう願う気持ちも半分。
そして半分は、このまま自分の娘や息子が、
日本でしっかり稼いで、心配なく一生を過ごすことが難しくなるのではないか…
日本人が出稼ぎに行くのが当然という時代が来るのではないか…
そんな不安もある親御さんが増えているようです。
そこで先日、留学事業に長く携わる三島の友人の協力を得て、みしま事務所の年間サポート中のパパママに向けて『留学にかかる費用やコロナ後の留学事情』についてあれやこれやを話す座談会を開きました。
今回はその会で得た『留学事情のリアル』について、ブログを書かせていただきます。
目的で変わる!自分にとって最適な留学タイプを知る
まずは留学の種類を知りましょう。
ただ『留学』と一言で言っても、実際には様々なタイプの留学があります。
短期留学、長期留学…
高校での留学や大学での留学…と、選択肢は様々です。
『ウチの子どもにとって、どのタイプの留学がいいのだろうか?』
そんなママのために、まずは留学の目的をはっきりさせることが重要です。
ここではまず、それぞれの留学タイプがどのような目的に最適か?をご紹介します。
目的①英語を使って楽しみたい!…短期語学留学
初めての留学…そんな方はに向いているのはまずは短期語学留学。
夏休みなど長期学校の休みを利用して、現地の語学学校に通学します。
午前は学校で英語を学び、午後は様々なアクティビティを学校が用意してくれることも多く、『初めての留学でまずは英語を使って楽しみたい!』という方向けです。
目的②とにかく英語力をつけたい!…現地校へ1年の留学
とにかく英語力をつけたいのであれば、現地校で1年間留学するのが一番いい!と言われています。
高校生時代などに1年間地元のネイティブ高校生に交じって勉強するのです。
日本の学校においては、留年の可能性もありますが、学校によっては単位を認めてくれるケースもあります。
ちなみに、大学入試で帰国子女枠を狙うのであれば、2年間の留学が必要です。
帰国子女枠を狙っていくのであれば、帰国後に大学でやりたいことを見据えて受験に有利な学部がある留学先の学校を選択できると尚よし!!です。
③就活を有利にしたい/インターンをしてみたい…カナダのCo-oP制度の利用
『海外で働いたことがある』そんな経験値が欲しいのであれば、カナダのCo-oP制度の利用がお勧めです。
英語学習 → 専門分野の学習 → 有給インターンシップの3段階で構成されています。
ワーキングホリデーの利用の場合、語学の勉強+日本食レストランなどでバイト…で終わってしまいがちですが、Co-0Pは「勉強」と「(本格的な)就労」との両方を経験できる他国にはない制度。
バイトではなく、現地のカナダ人と一緒に働いて就活でのアピールポイントにしたい!そう考える人にはうってつけの制度です。
興味ある方は、ぜひカナダ大使館のページで詳細をご確認ください。
留学にかかる費用
さて…
では、現実的に留学にはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか?
2019年頃は『一日1万円かかるって感じかな…』と言われていた留学費用(一年の留学で約350万円前後)ですが、コロナ後の円安&インフレが進む現在、状況はどれくらい変わっているのでしょうか?
為替の状況は常に変わりますので、あくまでもご参考に…というところですが、2023年3月時点では概ねこれくらいと言われています。
かわいい子には旅をさせよ…とは言われるものの、なかなかな金額ですよね。
長期となれば、親の負担も重くなってきます。
奨学金を使った留学
そこで、検討したいのが奨学金制度です。
色々な奨学金制度がありますが、最もポピュラーで人気があるのがこちらのトビタテ留学JAPANでしょう。
こちらの制度、官民半々での出資となっているようです。
大きな特徴は、奨学生となるためには、際立った好成績や英語力が必要というよりも『留学でこんなことを学んで、将来日本にこんなふうに貢献したい!』というような姿勢や熱意が重視される選考であるということ。
そう、本人自身にやる気さえがあればなんとかなるかも!?というところがあるのです!(奨学金を得るために、勉強にお金かかって本末転倒…ということにはならないところがいいですよね!)
ただし、選考の際には通っている学校から書類を出してもらう必要もあり、学校との連携は必須となります。
子どもに留学させたい親がやっておくべきこと
勿論留学は本人次第。
でも将来子供が留学を希望した時に、『親としてできることは準備しておきたい!』そう考えるママも多いでしょう。
以下は親として留学前にやっておいた方がいいことです。
①子どもの意志が固まっているかの確認
『これ、絶対やっておいた方がいい!NO.1』は、子どもの意思が本当に固まっているかどうかの確認です。
これは、親『いいよね?』子『いいよ~』の軽いレベルものでは決してありません。
もっと、本格的なもの。子どもが海外で生活し勉強するという決意が、本当に固まっているかどうかの確認です。
留学事業に携わる私の友人によると、最近は気軽に留学を決めてしまう子や親が勧めてきたから…といった理由だけで、なんとなく留学を選択してしまう子どもも多いそうです。
留学のハードルが下がっていること自体は悪いことではないと思うのですが、それだけに、現地での生活に耐えきれず、予定している留学期間の満了を待たずドロップアウトして戻ってきてしまう子どもも少なからずいるそうです。
例えば、高校留学でドロップアウトしてしてしまったら、日本では中卒…。
となると、ドロップアウトして帰国した後に『さぁ、学校どうする?』『就職は?』となると、なかなか厳しいものがあるのが現実で、結局留学をさせたことが本人にとって良かったのかどうか…と何とも微妙な結果になってしまいます。
留学前の意志の確認は、必ずしておくようにしましょう。
②海外のインフレ率に合わせた資産運用
もう一つ、必ずやっておいてほしいのが資産運用。
国にもよりますが、日本も物価が上がってきているとはいえ、インフレ率は他の先進国と比較するとまだまだ緩やか。
なので、『教育費が上がっていく』と言われても、そこまでの危機感は感じないかもしれません。
でも海外の学費の上がり方は、日本とは雲泥の差。
例えば、アメリカの大学の費用は20年で1.5倍から2倍になると報告されています。(参考ブログ)
一方日本と言えば、この20年で国公立大学の授業料は微増。
一番学費が高いとされる私立大学の理系でも1.2倍程度しか学費の上昇で、両者の大学の学費の上がり方は比較にならないような上がり方です。(日本の学費について詳細はこちら)
つまり、10年後の子どもの留学資金を、せっせとほぼゼロ金利の円で積立てていても限界があるということです。
10年前は1年350万円だと言われていた留学資金が最近では600万円前後と言われるように、日本の感覚で留学費用を準備していると全く足りないという可能性は十分にあり得ます。
また、為替はプロでも予測が難しいともいわれていますが、将来外貨を使う予定があると考えるのであれば、外貨そのものを資産の一部に入れて資産形成していくことも選択肢に入れてもよいでしょう。
まとめ
ここ数年はコロナの影響で、世界を旅したり留学したりする機会がぐっと減ってしまっていました。
その分、『子どもを留学させたい!』『留学したい!』という人の数はこの2022年後半から圧倒的に増えているようで、先の留学事業に携わる友人は『この20年で一番忙しい!!』とのこと。
『多感な時期の貴重な経験機会を奪われてしまった分を何とか取り戻したい!』…そうはやるママの気持ちもよく理解できます。
でも、留学するのは本人ですし、過ごし方も本人次第です。
インフレや円安がこのまま続けば更なる大きな支出になってしまう留学だからこそ、子どもとしっかり話し合い、覚悟を確認するのは大前提です。
そして親は大きな出費に備えて、抜かりなく計画的に留学資金を準備していくことが今後はより重要になってくると考えます。