2021.04.26(Mon)
確定拠出年金の運用がわからない!なら、まずは抑えたい3つのポイント!
老後資金・確定拠出年金(iDeCo) / 資産運用『会社で確定拠出年金が導入されたけど、いったいどう運用していけばいいのかわからない…』
日々色々な方からお話を聞いていると、そう感じているアラフォー出産ママは少なくないようです。
株が〇%で、債券が〇%がいいって言われているけど、ほかのシミュレーションでは違う結果が出たし…
資産運用をするときに、どの資産の種類(株や債券など)をどのくらいの割合で入れていくかは、誰もが悩むポイントです。
また運用成績に大きな影響を与える大切な部分でもあります。
しかし確定拠出年金の運用を考えるなら、具体的な資産配分を考える前に、抑えておきたい基本的なポイントが3つあります。
・運用できる期間
・あなたのメンタルの強さ
・他の金融資産(確定拠出年金の以外の資産)の状況
この3つを確認した上で、確定拠出年金の資産配分を決めていきましょう。
投資の基本『長期・分散投資』
まずは抑えていただきたいのは、資産運用の基本、『長期・分散』。
特に初心者の方には、基本として知っておいていただきたい考え方です。
過去のデータを見る限り20年の運用期間においては、株のようにリスクの高い資産で運用しすれば高いリターンが得られる可能性があります。
例えば、紆余曲折はあるとはいえ、日本株は2001年~20年で2倍に、世界株は3.4倍になっています。(出所:GPIFのホームページに飛びます)
しかし、例えば時期を高度成長期ピークの1989年からの20年間、日本株に一極集中で投資すると、その後は下落・低迷が続き、20年間以上戻らないということもあり得ます。(リスク軽減には分散が有効)
そこで、資産運用でのリスクの管理としては、一つの資産に集中的に投資するのではなく、長期間において分散投資することによって、リスクを軽減させることが有効であると考えられています。
(参考:GPIFホームページ 長期分散投資の効果より)
↑見ていただいた通り、中長期にわたって分散投資を継続していると、元本割れもしにくいことが分かりますね!
運用期間はどれくらい?
それを踏まえた上で、あなたの場合の運用できる期間を確認してみましょう。
確定拠出年金(個人型iDeCoも含む)は60歳まで原則引き出しは不可です。
なので、もしあなたがアラフォー出産ママで40歳で確定拠出年金に加入した場合は、20年は運用期間がありますよね。
『20年』といえば、資産運用するには十分『長期』と言える期間です。
一般的には、運用期間が長ければ長いほどリスクが取りやすいと考え、短くなればなるほど保守的(リスクをあまりとらない)資産配分で運用するのが望ましいと考えられます。
どれくらいの目減りに耐えられるか?
株のリターンの推移結果を見て、自分の運用期間が20年近くあることが確認できると、『お!運用期間は20年あるし、株だと結構増えるんだね!』ということで、株に全力で向かいたくなるものです。
しかし、ここでももう一つ、確認してほしいことがあります。
それは、あなたにどれくらいの資産の目減りに耐えられるメンタルがあるか?
最終的には、中長期でみれば…リスクの高い株などで運用すれば高いリターンが得られそう!と頭ではわかっていても、日々の株の値動きは激しいものです。
たった一年間で1.5倍になる年もあれば、半分近くまで減らしてしまう年も過去にはあります。
※日本株と世界株のリターンの推移についてはこちらで確認できます。(GPIFのホームページへ)
アラフォーでの投資と言えば、『無くなっちゃっても大丈夫な余裕ある資産』で投資しているというよりは、仕事のように『大真面目に資産形成を目的として』実践している人も多いはず。
いわば、子供の教育費の一部や老後資金の一つの柱として積み立て投資をしている人も多いでしょう。
そんな大切な目標に対して積み立てているお金なのに、一時的でも一年で半分になってしまったら眠れないかも→投資を継続できないかも…!
そう思ってしまうのであれば、自分のメンタルに合う形で運用をしましょう。
『これまでのリターン実績がいくらよいからと言って、株が100%でいいのか?』
『一時的に相当悲観的な状況になっても、投資を継続できるのか?』
少なくともこの二つにおいては、自分の胸にもう一度問いかけてみましょう。
個人的な話ではありますが、ちゃんと運用の勉強をしてFPとなった私ではありますが、
『資産半分になっても、一時ならいいだろう』
と高をくくって資産運用を始めた結果、一時資産が半分となりビビりまくって一部資産の売却をしてしまったことがあります。(2008年リーマンショック時、私も若かった・笑)
『実際に起こって初めてわかる気持ちというものもある』と知っておいてください。
他の金融資産の状況はどうなっているか?
3つ目は資産全体の状況の把握です。
アラフォーにもなれば、小金が貯まっているママも少なくありません。
『夫に内緒で資産運用していて、そのアドバイスも欲しい… 』なんていうご相談も珍しくはありません。
ファミリーマネー以外の資産があるママや、夫とともにコツコツと形成してきた資産があるママも多いはずです。
資産は多いに越したことはないかもしれませんが、規模が大きくなればなるほど全体が見えにくくなる傾向があります。
特につみたてNISAだったり、保険だったり、現金だったり…と、積立先には困らない現代。
ここにさらに確定拠出年金…となると、全体像がますます見えにくくなってしまいます。
確定拠出年金も含め、新たに何か積み立てを設定するときは、
- ・ほかの資産の状況がどうなっているのか?
- ・全体の資産のバランスはどうなっているのか?
を必ず確認しましょう。
食事で好きなものをいつも食べてしまうのと同じで、人は好きな資産の種類(株や債券などの投資対象)にばかりに投資してしまうところがありますので、要注意です!
まとめ
特に会社で導入が決まり、自分の意志とは関係なく確定拠出年金を始めなければいけなくなった場合、知識不足から不安になることも多くあります。
会社の簡単な導入説明の後に、個人が選択しなければいけないのは『どの商品に、どれくらいの割合を投資するか?』で、ここで多くの方が悩むのですが、実はその選択の前に確認していただきたいことがあります。
- ・運用できる期間
- ・あなたのメンタルの強さ
- ・他の金融資産(確定拠出年金の以外の資産)の状況
この3点をまずは抑えてから、自分に合った資産配分比率を考えてみましょう。
確定拠出年金を放ったらかしにしている人は、こちらの記事が参考になります。