2020.10.14(Wed)

育休から早めに復帰?ママの体調とキャリアプランが決断のポイントに!

ライフプラン

育休は、働くパパママが子が1歳になるまでの間で希望する期間、子育てを理由に休業できる制度です。詳しくはこちら→

2019年度の厚生労働省の雇用均等基本調査では約80%以上のママが取得しているとの結果が出ています。

多くのママが取るこの育休制度に、助けられているママやパパは沢山いる…そんな素晴らしい制度です。

しかし、子どもが一歳になるまでの希望する期間(保育園に入れないなどやむを得ない時は延長も可能)で取ることができるという制度だからこそ、有難い反面、『じゃ、復帰いつにしよう?』と悩ましい部分もあります。

 

様々な理由のより復帰を余儀なくされる人もいれば、せっかくの育休だからフルでしっかりとりたいと考える方もいるでしょう。

バリバリキャリアを形成してきたアラフォー出産ママだったら、早く仕事に戻りたいと思う人もいるでしょう。

今回は、早めに復帰することでのメリットデメリット

  • 1年未満の職場復帰のメリット
  • ・0歳児は保育園に入りやすい
  • ・産後もお金面で安定しやすい
  • ・キャリア中断のリスクが減る
  1. 1年未満で職場復帰のデメリット
  2. ・ママの体力的負担が大きい
  3. ・子供に向き合う時間が減る

→を踏まえて、自分の復帰時期を決めるためのポイントを考え、お金面でもメリットデメリットを確認します。

事情はそれぞれ違うとはいえ、復帰時期を決めるポイントは、

  • ・ママの体調の回復がどの程度進んでいるか?
  • ・ママの今後のキャリアプランをどのように描いているか?

をまずは軸にして考えましょう!

人によっては、育休の取得期間が将来のキャリアの分かれ目となり、生涯年収や資産に大きな差を生み出すことも十分あり得ます!

 

しかし、キャリア面だけでなく自分の健康や子育てに対する影響など、トータルな視点で復帰時期を決めることが重要です。

 

健康に関しては、アラフォーでの出産の場合、回復に時間がかかることがあるので特に慎重に決断しましょう。

育休を1年未満しかとらないママのメリット

多くのママが取る育休ですが、様々な事情から1年間まるっと取らず、半年やそこらで復帰を果たすママも少なからずいます。

どうして働かなくても収入が得られる機会である『育休』をフル活用しないまま、職場復帰を果たすのか?

理由は大きく3つありますが、そこには共通して『今後のキャリアを考えて決断した』と思われるワーママならではの事情が垣間見られます。

  1. ①保育園は0歳児であれば、より入りやすい。
  2. ②今後のキャリアを考えると1年未満が望ましい
  3. 職場が人手不足で、1年間取れるような空気ではない

それぞれの理由を見てみると、早期復帰の理由の多くはそのままメリットになっていて、主に、キャリア・収入面でのメリットが大きいのが分かります。

メリット①:保育園は0歳児がより入園しやすい傾向

確かにここ数年、多くの自治体で保育園の数は増え続け、かつては激戦とも言われた保活は、このところ激闘ぶりが和らいだ印象があります。(文京区の保活についてはこちら

とは言っても、保活激戦区に住んでいて、『仕事復帰はいずれは絶対したい!』と考えるママにとっては、できるだけ早く保育園の在籍を確定させておきたいと考えるのも自然なこと。

多くの自治体では、0歳児クラスの入園が1歳児など他の年齢児のクラスよりも入りやすい傾向が見られたりするので、『だったら、0歳児で入れて復帰してしまおうか…』となり、結果、一年未満の育休期間となったという話はよくあります。

『1歳児クラスに入ろう…』と思っていたら、定員オーバーで入園できず職場復帰危うし…なんてことになったら、洒落になりません。

※保育園の入園査定基準や入りやすさは、自治体やその年の状況によって異なりますので、お住いの自治体HPなどで必ずご確認ください。

当たり前ですが、一度保育園への入園が決まれば、仕事を辞めたり就労時間に大きな変更がない場合は、ずっと、在籍できます。

実は、このシンプルなコト自体が働くママにはとーっても重要なのです。

その理由は子どもの安全な保育場所を確保できることで、ママが安心して仕事に集中できるということに他ならないから。

そうなんです!保育園決まらずにして、『ママの職場復帰→キャリア形成』は基本、あり得ないのです!

『保育園入園がよりストレスなく、スムーズであること』は中長期のキャリアプランを考えるワーママにとって、とても重要なことに間違いありません。

メリット②:今後のキャリアへの影響が少ない

先日こんな記事を目にしました。

社内制度として育休制度が3年ある会社ではあるのですが、1年未満の復帰の場合はその後もキャリアの選択肢が広がるような人事制度を用意している会社(キリンビバレッジ)についてです。(参考記事:woman smart キャリアより

子どもの成長もあっという間ではありますが、世の中の変化は速く、そのスピードは年々上がっているように感じます。(年齢のせい?)

1年以上の育休の後で復帰…ならまだしも、もし、それが社内制度使って3年育休フルに取った後だったり、二人目の妊娠があったりして、トータル5年以上…なんてことになってしまうと、正直社会人として浦島太郎状態になることは避けられません。

長期の育休の結果、やりがいのある仕事から離れることになることもあり得ます。

そして、『やりがいはない…でも家計のために仕事が辞められない』となると、それはそれで後悔してしまうこともあるでしょう。

社内制度や職種にもよりますが、中長期の自分のキャリアプランを考えた時に、『やっぱり、キャリアも築いていきたい!』と考えるのであれば、1年未満の育休で職場復帰し、キャリアの中断を最小限にとどめられるというのは大きなメリットです。

 

育休を1年未満しか取らないママのデメリット

デメリット①:ママの体力的負担が大きい

ただ、『お金のために早く復帰!』と割り切れるほど産後の復帰問題は単純でもありません。

特に高齢出産の場合、ママの産後の体力の回復に時間がかかるのも事実。

私の場合満1歳になるまでは授乳していたので、離乳食が進む8カ月くらいまでは相当体力を消耗し、体の不調が続きました。

夜中も朝まで通して寝られることもなく、少なくとも1回は子供に起こされます。

経験ない方には理解されないかもしれないですが、夜眠っている間に一度以上起こされることが継続して起こると、ずーっと疲れが取れない感じになることもあります。

そんな経験をした、もしくは今まさに経験中のママって、少なくないのではないでしょうか?

 

あの状況の下で、さらに仕事もやるとなると…それは、それは本当に大変なことです。

体力に自信がない、もしくは体調が優れないという場合は、無理な復帰はお勧めできません。

無理に復帰して体調を崩し職場に迷惑を掛けたり、自分に余裕がなくなって子育てに悪影響を与えてしまうのであれば、自分の心身の準備ができるまで復帰時期を延ばすことも考えましょう。

人生は、仕事だけでできているわけではありません。

キャリアや収入だけを軸において復帰時期を決めず、自分の体と相談しながら決めるようにしましょう。

デメリット②:子供と向き合う時間が減る

『今日は初めて手をパチパチした!』

『今日は初めて、お返事した!』

子どもの『初めて』に立ち会えるって、ホント、親としての醍醐味の一つだと思っています。

四六時中一緒にいられれば、自ずとそれを目にする機会が多いのでしょうが、日中の大部分の時間を仕事…となると、やはり、物理的に子供と過ごす時間が減ります。

働くママの中には、『子どもが小さくて親として最も必要とされている時間を、できるだけ長く楽しみたい』という想いが強い人も、もちろんいらっしゃるでしょう。

『やり直したい』と思ってもやり直しがきかないのが子育て。

その想いが強いのであれば、育休期間フルにとって存分に楽しむのもあり!です。

ママの働き方でも変わる!資産残高推移例

『働けば収入は上がり、おそらく資産も増えるだろう』

多くの方から、容易に想像がつく結果だと思います。

でも、その収入の差って、どれくらいのインパクトがあるのか視覚的に確認したことはありますか?

例えば、600万円の年収で働いていた40歳出産の二人のママで以下の条件で比較した場合、どのような違いになるでしょうか?

ママの収入推移①1年未満の育休後、年収を上げた場合

年齢 イベント 収入
40歳 出産&育休11カ月 育休等385万円/年
41-42歳 時短で復帰 420万円/年
43-55歳 2%ずつ収入UP 55歳で744万円/年
55-60歳 7%ずつ収入減 60歳で530万円/年

 

ママの収入推移②1年半の育休後、年収が変わらなかった場合

年齢 イベント 収入
40-41歳半 出産& 育休1年半 育休等535万円
41歳半-59歳 職種変更 420万円/年

 

上記のようなキャリアパスを歩んだ場合、金融資産残高は以下のように推移します。※ライフプランソフト大成功家族を使って筆者試算。ママの年収以外の条件はすべて同じ

①ママの年収が上がった場合

②ママの年収が復帰後変わらなかった場合

どうでしょうか?見違えるくらいに違いませんか?

収入をしっかり上げていったケースでは100歳近くまで資産が残るのに対して、収入アップを目指さなかったケースは75歳で資産が枯渇しています。

もちろん、収入が下がったら下がったで、生活もダウンサイズしていけば問題ない場合も多いのですが、収入がライフプランに与える影響って、想像以上に大きい場合が多いので、今後の決断の参考にしてください。

 

ちなみに、資産推移の変化の原因になっているのは収入だけというわけではありません。

65歳以降受け取る年金額も収入によって異なるため影響がありますし、会社によっては退職金にも違いが出てくる可能性もあることを含みおきください。

もちろん、これまでのご相談の中には、収入を下げてもしっかり破綻しないでライフプランが維持できるケースも沢山ありますので、ケースバイケースです!

ママひとりの働き方が全てを決めるわけでもないので、特に真面目なママは背負い込まないようにしましょう。

まとめ

子どもが一歳になる前であれば希望時期に復帰が可能なだけあって、悩ましい育休の復帰時期。

復帰後のキャリアを考えると早めの復帰の方がいいでしょうし、職場によっては、『人手不足で1年間もとれる雰囲気でない』可能性もあるかもしれません。

それに、収入の大きさが将来の金融資産に影響を与える大きさは、そう簡単に無視できるものではありません。

 

 

でも、人生は長期戦。

自分の体調と、子育て、その上で自分がどう働いていくかトータル的に見て決断することが大切です。

中長期的に、無理なく破たんしないライフプランを目指すには、どんな働き方がいいのか?どれくらいの収入を目指すべきなのか?

復帰前に自分の気持ちを確認しながら、ライフプランの確認をすると安心して復帰できるはずです。

PAGE
TOP