2020.07.16(Thu)
戸建てかマンションか。子あり共働きにはどっちが向いている?
住宅住宅購入を考えだしたら、一度は考えるのではないだろうか?
『ウチは戸建てとマンション、どっちにしようかな?』と。
戸建であれば、お庭が付いていたり、駐車場も借りる必要なし!
そんなメリットもあります。
一方、マンションであればセキュリティの高さと構造がしっかりしているところも魅力。
どちらも一長一短あり、悩みますよね。
損得勘定も大切ですが、最終的にはどんなライフスタイルを望むかでどちらを選ぶかで決まることが多い『戸建かマンションにするか問題』。
子あり共働き夫婦に関しては…
- 戸建に向いている人
- ・とっても元気な子どもがいる、または3人以上子どもがいる場合
- ・車を手放す予定がない場合
- ・音が出る(楽器系)習い事を子供にさせたい
- ・自分で自分の城をメンテナンス、管理したい
- マンションに向いている人
- ・耐久性のある頑丈な建物に住みたい
- ・より高いセキュリティを求める
- ・ゴミ出しや植木の剪定など費用を払ってでもお任せしたい
と考えます。
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一戸建てとマンションの違い
建物の耐久性について
『マンションを作る時に使う建材と、戸建てを建てる建材は全く違う。だからマンションに住みたい』
共働きの我が家が戸建かマンションかを選ぶ話し合いの時に、一級建築士の夫に言われたのがこの言葉。
『建築士だから自分の設計した家に住みたいとか言われちゃうんだろうか…』という私の勘は大きく外れ、建物の耐久性や頑丈さを考えた時のマンションの利点から『マンションがいい!』という現実的な意見を頂きました。→結局ウチはマンションに。
この、『建材が違う』というのが建物の耐久性に大きく関わってきます。
例えば、戸建のほとんどが木造建築ですが、木造建築の場合そうとう持ち堪えたとしても、30年~40年。
一方鉄筋コンクリートを使うマンションの場合は、その1.5倍、70~80年は建物としての寿命があると一般的には言われています。
あなたが『住まい』ではなく『資産』という観点から住まいを選ぶとしたら、もし同じ価格だとしたら耐久性が高いものとそうではないもの、どちらを選ぶでしょうか?
そんな視点で考えると、マンションの方が有利だと考えられます。
建物の強度について
また、建物の耐久性が高いということは基本的に頑丈にできているということ。
それは災害にも強い場合が多いことを表します。
それを裏付けるかのように、火災保険を試算したときに、保険料はマンションより戸建の方が高くなるというのはよくある話。
同じエリアに物件があって、同じような災害に襲われたとしても受ける被害の種類や規模は、戸建とマンションでは違います。
実際に火災保険の保険金支払い件数と種類を見ると、マンションと戸建ではかなりの差があります。
ここ数年で見ると、大型台風の影響もあり戸建は風災による被害が圧倒的に多いです。
一方マンションの保険金支払い件数は地震がトップで、風災はごく少ない結果となっています。
参考:どんな時に支払われるの?保険金の支払い件数のランキング(じぶんで選べる火災保険)
またどうしても、一階に面してしまう戸建は、水災などの被害を受ける可能性も高く、全体としてマンションと比べて災害を受けやすいと考えられています。
気密性について
そして建物の頑丈さは、住空間の気密性にも関係してきます。
『冬もこんなに暖かいものなんだ』
私が鉄筋コンクリートのマンションに住んで初めての冬に感じたこと。
建物の気密性が全然違う!!
雪国の日本家屋で育ち、『冬は外も家の中も寒いのが当たり前』と思っていた私には、衝撃でした。
また、戸建の場合、夏になるとどんなに気を付けていても現れるゴキブリもマンションだったら現れない!!
※しかしマンションでも1階の場合は現れる場合があります。またお掃除をしていないと、快適さゆえにダニが繁殖しやすいというデメリットもあります。
夏のエアコンも良く効きます!
マンションの気密性の高さは、人によっては快適な住空間を得られます。(感じ方は人それぞれ)
セキュリティについて
マンションと言えばセキュリティの高さが売りでもあります。
購入するマンションとなると多くはオートロック付が主になりますが、最近はオートロックがダブル、トリプルになっている場合も少なくありません。
また、マンションによっては、エントランスのオートロックを解除した本人の住むフロアにしかエレベーターが止まらないような設定になっているなど、ハイクラスなマンションであればあるほどセキュリティはしっかりしています。
特に子供がいる家庭においては、住居にまずは安全・安心を求めたいもの。
建物内に不審者を入れないようなセキュリティ対策は今後もより高度になっていくと考えらます。
これが戸建の場合は、門があるかもしれませんが、多くの場合ロックできるのは一か所。
マンション暮らしになれてしまっている人には、ちょっと心細く感じてしまう人もいるかもしれません。
戸建でセキュリティを高めるためにはセコムやアルソックといったホームセキュリティー会社と契約をすることが必要で、そのためには費用が掛かると認識してください。
騒音・生活音について
なんだかマンションの良いところばかりを並べ立ててきましたが、戸建にだっていいところは沢山あります。
こんな話を聞いたことはありませんか?
『子どもの元気が良すぎて、下のフロアから苦情が続き…。気も使うんで、結局戸建に住み替えたんです』
『あ~、あるある。』と男の子を持つママなら思うはず。
マンションは上下お隣とは同じ建物でつながっている中での共同生活。
どんなに気を付けて住んでいても、生活音を全く漏れないようにするのは難しいものです。
つまり、子どもが元気にドンドン動き回っているのを『響くよ!』と時に制することや、防音のためにマットを敷き詰めるなどの工夫をするなど親の配慮が必要となります。
また子供の習い事でピアノなど音が出るものをする場合も要注意。
自宅での練習時間や音の大きさにも周囲への細心の注意は必要です。
その点、戸建であれば、生活音自体がご近所の大きな問題になることはあまりありません。
また、それぞれのお部屋の位置が離れている間取り設定になっている場合も多く、家族間でのプライバシーも保ちやすいというメリットがあり、親の制止を上回る元気なお子さんがいる場合や、子どもが3人以上いる場合は戸建ての方が過ごしやすいと考えます。
管理費や駐車場について
『車を持ち続けたい!』そんなご家庭には駐車場付き戸建てが合理的です。
都内でマンションを買うとなると駐車場を借りることになり、月数万円の支出は必至。
しかも保有期間は駐車場代がずっとかかってくるマンションと比較すると、『車有り人生』を考える人にとっては戸建ての方が結果的にお得です。
例え月2万円の駐車場代だとしても、2万円×12ヶ月×30年=720万円!
持ち家の場合は、その駐車場にかかる2万円を教育費や老後のために貯蓄できたりもするわけなので、将来の資産へのインパクトは大きいです。
更にマンションの場合は、管理費がかかります。
こちらも月数万円の支出になることも多く、確かに負担と言えば負担。
…しかし、朝早くからのゴミ出しや、町内で決まって割り当てられるごみ当番。
そういった煩わしさから解放されるのが、人によってはマンションの良いところ。
ゴミ出しは基本24時間OK、管理人さんが朝になったら指定の場所に出してくれます。
またマンションの共用部の掃除や植木の剪定、本人不在時における野菜宅配業者さんへの対応など…。
日々の生活で助けて頂いていることは沢山あり、日頃の清掃のおかげでマンションも清潔で良好な状態が保たれていたりします。
このマンションの管理人さんの存在は、忙しくて時間のない共働きにとってはとても助かる存在。
確かに、各マンションには管理組合があって、数年に一度は管理組合役員として会に参加する年もあるかと思いますが、日々の雑務から解放されるところに管理費の価値を感じる共働きは少なくありません。
家族がいて子どもがいたりすると特に感じるのが、一般的にはお金の貯められる時期が限られていること。
具体的には、子どもが私立の学校に行き出す前だったり、子どもが大学卒業後以降、年金生活が始まる前だったりします。(教育費がかかるうちは貯蓄しにくい)
しかし、どんな状況にあるとしても、マンションの場合だと『月いくら』と修繕積立費は毎月各世帯から決まった金額が集金されます。
一方戸建ての場合は、修繕するタイミングやそのためのお金を自分の好きなペースで貯めることができます。
『今は子供がお金かかる時期だから、そろそろ外壁きれいにしたいけど子供の卒業を待ってからにしよう』という感じで、です。
しかし、自分でリフォーム時期を決められるということは、自分で計画し管理する必要があるということでもあります。
リフォームの計画に関しては、最近は戸建ての住宅を買ったときに定期的な点検をサービスとしている施工会社も多いので、そこからアドバイスをもらえることもあるようです。(悪質な営業には注意ですが)
住宅購入時やそのような点検サービス時には、今後どのような保全やリフォームが必要になりそうな可能性があるのかも聞いておくと計画が立てやすいです。
ちなみに、私がライフプランのシミュレーションをする時は、戸建ての場合は大体15年毎に500万円くらいのリフォームを組み込んで計画を立てることが多いです。
戸建の場合、マンションと違って内装だけでなく、外壁や屋根などの建物自体のリフォームも必要になり、一度にかかる金額がどうしても金額が大きくなります。
そして、注意したいのはそういった大きなお金を自分で計画的にお金を準備しておく必要があるということ。
『借り入れ』という選択肢もあり得ますが、住宅ローンが残っていたり子供の教育費が今後もかかるというタイミングも多いため、どちらにしろ人生のかかるお金をトータルで考えた選択と計画が必要になります。
一軒家はまさに自分の城。
自分の好きなようにできる分、自分で管理することが沢山あるということを肝に銘じておくべきです。
まとめ
以上、子あり共働き世帯にとっての戸建てとマンションを選択するにあたってのメリット・デメリットまとめてみました。
戸建 | マンション | 備考 | |
建物の耐久性 | × | 〇 | |
建物の強度 | × | 〇 | |
気密性 | × | 〇 | |
セキュリティ | △ | 〇 | 戸建は費用が掛かるがセコムなど対応できる |
生活音・騒音 | 〇 | × | |
管理費・駐車場 | 〇 | × | マンションで費用を払ってでも管理をお願いしたい人は△ |
修繕 | △ | △ | 自分で計画的にできる人は戸建は〇 |
価値観は人によって違うもの。
そんなわけで、必ずしもこのメリットやデメリットが、そのままあなたのメリット・デメリットと一致するわけではありません。
でも、一つだけ確かに分かること。
それは『夫婦・家族の重視する価値観を基準にして住宅が選べているかどうか?』で決断すべきということ。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて上で、『自分にとってはどうなのか?』そこを今一度、しっかり自分に問いかけて選択して頂ければ、決して間違いはありません!