2020.06.11(Thu)
高齢出産での帝王切開の割合は高!費用とその後大変だったこと。(体験談)
教育費・子育て / 社会保障制度2017年厚生労働省の発表のよると、約25%の病院での出産が帝王切開とのこと。
また2019年4月3日更新の毎日新聞によると、初産の40歳以上の帝王切開は3割に上るらしい。
この割合は、27年前に比べると約2倍!
将来的にこの晩婚晩産傾向が続けば、この割合は今後も高まっていくことが予想されます。
何を隠そう、私も2度の帝王切開での出産を経験。
初めての妊娠の時は、経過も順調で通常分娩を予定していましたが、分娩時の胎児の心拍が弱くなっていることから、『緊急帝王切開』へ。
無事に産まれてきてはくれましたが、『みんな簡単に帝王切開っていうけど、めっちゃ大変じゃん~!!』というのが率直な感想でした。
帝王切開は
- 費用に関しては、医療費となり高額療養費の対象になります。そのため過度な心配はご無用!
- 帝王切開は回復に時間がかかります。
- 二人目の出産も帝王切開の可能性があります。(病院による)
の3点を抑えてください!
出産にかかる費用
通常分娩でかかる費用
まずは通常分娩の場合の費用を確認してみましょう。
通常、分娩には40万円~70万円程度(病院による)かかるところが多く保険適用外です。
しかし、そこに加入する健康保険から、出産一時金42万円が給付されます。
つまり、通常分娩の費用は、結果的にほとんど自己負担がない~30万円程度が自己負担になるイメージです。
帝王切開でかかる費用
次に、帝王切開を含む異常分娩の場合。
『帝王切開』
…出産を控えた女性であればよく聞く言葉とはいえ、そこには経験者しか分からないことも沢山あります。
2回の帝王切開を経験した私の個人的感想ですが、帝王切開の場合、『出産』をしてはいるのですが、実感としては子供を産んだというより医療行為を受けたという感じです。
…そう。
実際に、帝王切開は医療行為。⇒医療費がかかります。
つまり、分娩費用にプラスして医療費もかかるのです。
しかし、帝王切開は健康保険適用の手術。
医療費の自己負担は3割ですし、高額療養費制度を利用した場合、年収約330万~770万円の場合は自己負担額は約9万円程度になります。※図は自己負担額が約9万円の場合。
このケースですと、分娩の費用+個室費用+医療費(帝王切開)の総額は115万円でも、出産一時金や高額療養費制度の利用により、結果として自己負担が17万円になっているのが分かります。
加えて[民間の医療保険に加入している方は、手術給付金や入院給付金の対象となりますので、給付を請求すれば、トントン、分娩費用によっては、『あれ!?収支プラスになっている?』という方もいるはずです。
ちなみに、出産育児一時金は医療機関がOKであれば(多くの場合でOK)、加入する健康保険からの直接支払いをお願いすることもできます。
つまり、健保から直接医療機関に振り込まれるよう事前に手続きしておくことで、自身が実際に窓口で払うのは差額のみ(医療費から健康保険の補助を差し引いた金額)となります。
詳しくはこちら⇒協会けんぽのページへ
また、帝王切開の場合は分娩費用とは別に医療費がかかってきますが、その医療費に関しても(高額療養費の対象となります)、事前に加入する健康保険に限度額認定を申請しておくことで、直接加入する健保から医療機関への振り込みが可能で、自己負担分のみを自身で窓口で払うことが可能です。
詳しくはこちら⇒協会けんぽの限度額認定についてのページへ
2種類の帝王切開
帝王切開には2種類あります。
①緊急帝王切開と、②予定帝王切開です。(私はどちらも経験)
①は、もともと妊娠の経過は順調で正常分娩予定だったけど、いざ分娩の進行中に胎児に異常があったり、胎児が上手く出てこれないことにより帝王切開となる場合。
②は、妊娠中から逆子であったり、1人目が帝王切開だったりなどの理由から、もともと帝王切開で出産する場合。
私個人は、1人目を緊急帝王切開で、二人目は予定帝王切開で出産しています。
緊急帝王切開
手術前・手術中に大変だったこと
第一子の緊急帝王切開に関しては、とにかく急な流れだったため、心の準備が全くできていませんでした。
とにかく心細く不安です。
手術に必要な確認書なども陣痛に苦しみながら確認したり署名をしたるする必要があり、出産には誰か頼りになる人(パートナーや親)の付き添いはあったほうが絶対にいいでしょう。
*特に緊急で手術となった場合、自分以外の誰かの署名も必要になります。
手術中は、『身を任せておけば大変なことはない』と思われるでしょうが、私の場合、打たれた麻酔が合わなかったのか吐き気が治まらず、もう『気持ち悪い!!やばい!!』っていう感じでした。
その状況で出産って…。
出産後1週間くらい、何かに追いかけられる悪夢を見続けていたので、それなりに精神的ダメージがあったのだと想像します。(←幸せな新ママから程遠い私)
今振り返っても過酷です…。
予定帝王切開
手術前・手術中に大変だったこと
二人目の出産は『予定帝王切開』でした。
これは、私が出産を希望した病院では、1人目が帝王切開だった場合は二人目も帝王切開で出産することが出産の条件となっていたためです。
担当医の話によると、出産時に子宮破裂のリスクがあるとのことでした。
このような病院は珍しくないようなので、『1人目は帝王切開だったけど二人目は自然分娩で!』と望む方は、それを受け入れてくれる病院であるかどうかの事前の調査をお勧めします。
第2子の予定帝王切開の経験で、私は、予定帝王切開と緊急帝王切開がこんなに違うものかと知ることとなります。
まず予定帝王切開の場合、私の出産した病院では、手術前に麻酔医やリーダー格のナースと事前の面談がありました。
私にとって恐ろしかった緊急帝王切開でしたが、この面談の効果なのでしょう。
手術当日、手術台の上で緊張している私に『大丈夫ですよ』『頑張りましょうね!』と笑顔で話しかけてくださる医師や看護師さんは、一度とはいえ顔を合わせたことがある方々。
そんな方々の存在は、居てくださるだけでとても心強かったと記憶しています。
唯一大変だったことと言えば、前日の夕食以降手術までの食事を抜かなくてはいけなかったこと。
胃を空っぽにした状態で手術に臨みますので、それが大変だったと言えば大変でしたが、緊急帝王切開に比べれば、私の場合は全然問題にはなりませんでした。
帝王切開後、大変なこと
体にメスを入れているので回復に時間がかかる
『人の体は切るもんじゃない』
…手術を終えた私の率直な感想です。
勿論必要な手術だったので、受けてよかったとは思っていますが、術後は大変でした。
1日目は立てないどころか、話も満足に出ない。
貧血でくらくら&真っ青。
痛み止めが手放せない。
トイレに行けない。(管をつながれて排尿します)
直ぐに食事はとれず、おかゆから少しずつ胃腸の活動を戻していく。
『帝王切開って術後が大変って聞いてたけど、こんなこと、知らなかったて…』の連続でした。
経済的に可能であれば、術後の3日程度は周りの環境が気にならない個室かそれに準ずるお部屋を取られることをお勧めします。
そんな状況とはいえ、赤ちゃんを放っておくわけにもいかず、『授乳できますか?』と数日後には看護師から声をかけられます。
養生しながらの赤ちゃんのお世話。
フツーに大変でした。
また1カ月程度はシャワーのみで湯船につかることは許されず、半年くらいは傷の様子も何となく気になっていました。
⇒産後6年、今では全く気になりませんし、傷口もきれいです!
二人目も帝王切開のいいところ
そんな帝王切開ではありますが、予定帝王切開に関してはいいところもあります!
日本では、妊婦の希望で必要ないのに帝王切開の手術を受けることはできませんが、予定帝王切開の場合、文字通り、『予定が立てやすい!』というのが最大のメリット!
産後は自分が思うように動けない分、色々なお手伝いが必要なもの。
特に上の子がいれば、配慮すべきことも沢山あります。
パートナーの仕事の調整、実家の両親へのお願い事、また退院後の家事代行サービスの予約などを『日付入り』で手配できるのは、出産日が予定できる予定帝王切開ならでは。
このメリットを最大限に利用し、産後の快適な環境の準備を勧めましょう!
ちなみに…。
第一子出産が帝王切開で、その後に医療保険に加入しようとした場合、帝王切開が原因で加入できないことはありません。しかし、加入後~5年程度、出産に関する入院や手術の保障がされないという条件付きでの加入になる場合が多いです。
逆に言うと、『2人目は5年以降に』と考える人であれば、帝王切開後に医療保険に加入しておけば、次回出産時には給付がある可能性があります。
まとめ
『人を産むということ』
それは大変なことです。
出産前はバースプランを考えたり、色々な計画を立てたものですが、私の場合、のっけから子供には『子育ては思い通りにならない』と身をもって学ばせていただきました・笑
私自身、出産前に入院や手術の経験がなく、帝王切開が初めての手術となったわけですが、そんな女性は少なくないと思います。
不安にならないわけないですよね。
…ただ、帝王切開は聞くほど気楽なものではありませんが、乗り越えられないものでもありません。
そして、お金がかかりすぎるものでもありません。
- ・医療費はかかるが、そんなに大きな負担にはならないこと
- ・術後しばらくは大変だが、体はちゃんと回復すること
- ・二人目を自然分娩したいときは病院選びから気をつけて!
この3点を抑えてください。
大丈夫。
安心して、元気な赤ちゃんを産み、その後の育児を是非楽しんでください!
そして最後にもう一つ。
高齢出産では身体的リスクが指摘されることが時にありますが、実はお金に関しても気をつけなければいけないことがあります。
それは出産時期が後ろ倒し(アラフォー)になることで、教育費と老後資金を同時に貯める必要があること。