2020.04.20(Mon)
子どもの学費が払えない⁉奨学金を借りる前に検討したいこと。
教育費・子育て中学、高校、大学に進むにつれて、教育費がかかるのはもちろん知っている。
そのための貯蓄もするべきだと分かっている。
でも様々な事情で貯蓄ができないまま数年が過ぎてしまい、気が付いたら、子どもの学費が必要になる時期が目前に迫ってしまった…
コロナウィルスの影響で、予定の収入が大幅に減ってしまい、子どもの教育費をどう捻出できるか不安…
奨学金、借りるしかないのか?
『住民税非課税やそれに準ずる世帯ではないため、給付型の支援制度は受けられない。でも大学の費用を準備するのは難しそう…どうしたらいい?』そんな方に送る記事です。
3割近くの大学生が奨学金を借りて勉学に励んでいますが、奨学金を借りるか決める前に、やっておきべきステップをご紹介します。
- ・子供と話し合い(どんな学部・学校に進みたいか?)
- ・子供と家の懐事情を共有(大学は国立でないと厳しそうなど)
- ・学校の特待生制度を調べる
- ・奨学金制度の利用について調べる
まずは子供と話し合い
子どもが小学生のころは、まだ早いにしても、高校生くらいになると親の事情も子供なり理解できるようになっているもの。
進路を選ぶ目前に話すよりは、まだ選択までに少し時間がある(子どもも対策を考えられる)時期にまずは親子で話し合いを持つことをお勧めしたいです。
話し合うのは
- ・子供の希望(どんな学部に進みたいか?)
- ・家の懐事情を共有(大学は国立でないと厳しそうなど)
- ・学校によっては特待生制度があること
- ・奨学金制度の利用について
いきなり『お金準備できないから奨学金で』と言われては、子供もびっくりしてしまいます。
それよりは、子供が勉強など準備に時間が取れる時期から親の事情を話す機会を持つことで、子どもの意識や行動が変わり、親子それぞれが納得した形で進学先を選ぶことができるはずです。
特待生を狙う
ただ、話し合いの時は、『子供の希望を叶えるだけの準備ができない』ことだけを伝えるのではなく、他の選択肢も伝えてみましょう。
その一つが私立大など複数の学校で設置している特待生制度です。
特待生制度とは、成績優秀な学生の学費を減免・免除する制度です。
(中学や高校、一部の塾でも特待生制度を設けているところがあります。)
奨学金のように返す必要もないため、まずは利用を検討したい制度です。
子どもの行きたい学部や行きたい学校で、特待生制度があるかどうか確認してみましょう。
特待生になるために子供は勉強に励むでしょうし、親としても学費が減れば一石二鳥!
もし、やりたい学部や勉強がはっきりしているのであれば、学校名にこだわるのではなく、ランクを落としてでも特待生制度を狙うという戦略も一つです。
学部のトップクラスの学生ということであれば、学校によっては就職にも有利な可能性も高まります。
制度の詳細は、設置している学内の制度によって違いますが、大別すると2種類に分けることができます。
特待生制度①:入学試験で特待生を選抜
特待生制度の中で最も多いケースは、入学試験で優秀な成績を収めた学生の学費を減免・免除するタイプのものです。
方式としては、通常の入試で優秀な学生を特待生として選抜する方式と、はじめから「特待生選抜試験」のように、通常の試験とは別に特待生を選ぶことを目的にした試験を実施・選抜する方式があります。
特待生に選ばれると、入学金の免除や初年度の学費減免・免除、大学4年間の学費減免・免除など学費面で大きなメリットを得ることができます。
(詳細は各学校によって違いますので、必ず確認しましょう)
ただし、4年間の学費が対象となった場合、毎年継続審査が入ります。
継続的に学費を減免・免除してもらうためには、良い成績を収め、学校が設定する基準に満たす必要があります。(時には特待生から外されることもあります。)
特待生制度②:在学中の試験の成績で特待生を選抜
もう1つは、在学中に良い成績を収めた学生の学費を減免・免除する制度です。
大学内で実施される各科目の試験で、よい点数を取り、大学側が設定している基準をクリアした学生は特待生となり、学費が減免・免除されます。(基本一年間)
次年度も特待生として選抜されるためには、同じように大学が定める基準をクリアする必要があります。
また、入学試験では①、②のどちらの場合でも、特待生になるためには面接を受けて査定されることも多いです。(学力だけでなく、人間性も審査の対象となっている)
入学時には特待生での入学は難しかった!という場合でも、制度があり条件をクリアできれば途中から特待生になれる可能性はあります!
奨学金制度について調べる
しかし、特待生制度は選抜。
必ずしも制度が利用できるわけではありません。
選抜に漏れてしまったときのために、現実的な選択肢として奨学金制度の利用も検討していきます。
貸与型の奨学金の種類は2種類あり(日本学生支援機構)無利息か、利息付きかです。
例えば、私立大学に通う学生で利息付きの奨学金を借りる場合。
学力に対する条件(①高校の成績が平均以上②特定の分野において優れた資質能力のあるもの③学修に意欲があり、学業を確実に終了できる見込みがあると認められるもの)が一つでも該当していること、給与世帯の場合の世帯年収(4人・自宅通学の場合)が1,144万円程度であれば、貸与月額は2~12万円の間で選択できます。
*詳細は日本学生支援機構のHPでご確認できます。
奨学金は学校を通して申込、多くの場合高校3年生の5、6月に申し込みが開始します。
借入のし過ぎは、子ども本人の就職後の生活にも大きな影響を与えることになりますので、しっかりと返済シミュレーションを立ててあげることは必須です。
就職後、結婚したり自分が子供を育てることとなっり、住宅を購入することとなる時にも、返済が続くことも多い奨学金の返済です。
楽天的だったり、現実的でない返済プランは絶対に避けましょう。
まとめ
現実として、なかなか学費が上手く貯められないまま時間を経過させてしまうケースは少なくありません。
奨学金も確かに一つの選択肢となりますが、その前に、『それ以外の方法が本当にないものか?』学校独自の奨学金制度を調べたり、学校関係者に情報を求めたり、特待生制度の利用を視野に受験勉強を始めたり、最低限できることを確認してみましょう。
教育費を含め、お金に関しては、『知っているか知っていないか?』で大きな差がつくものです。
安易に奨学金制度に頼らず、以下のステップを踏んでみましょう。
- まずは親子でしっかり話し合い
- ⇒経済的なところ含めた情報の共有
- ⇒特待生制度について調べる
- ⇒奨学金制度利用を検討
知っていれば…と後々後悔しないために、事前の情報収集が欠かせません!