2020.01.22(Wed)

共働きのメリットをFPが解説。同年収・同支出で4000万円以上得になることも!

ライフプラン / 老後資金・確定拠出年金(iDeCo)

こう見えて、体力に自信があった私でした。

でも、ワーママになってから数年は手がかかる子供のお世話と仕事と家庭の両立のために、自覚のないまま自分の許容範囲以上頑張って倒れてしまい、結果家族に迷惑をかけてしまうことが何度かありました。

みんな平気な顔でこなしているように見えていても、『フルタイムで働きながら育児や家事をする』って、私がかつて想像したよりずっと体力が必要で、大変なことだと実感しています。

 

そんな体力と時間がいつも足りない!と思っているママも少なくないと思いますが、果たして、『共働きで頑張ること』ってどんなメリットがあるのでしょうか?

 

働く理由は人それぞれで、生活のため、子供の学費のため、自己実現のため…と色々あるでしょうが、今日はFPの視点から、働いている期間と老後における共働きならではのお金とライフプランについてメリットをお伝えします。

『同じ収入・支出だけど、片働きか共働きかでどれくらい違うんだろう…』とシミュレーションしてみたところ、私が試算したケースでは生涯にわたり4,000万円以上の違いが出るという衝撃の結果に!!!(比較条件によって差額は異なります。詳しくは後述)

  • 現役時代もリタイヤ時代も、
  • 共働き、特に厚生年金をきっちり払っている正社員共働きのメリットは絶大です!!

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FPが見る共働きのメリット(現役時代)

『二人で働くんですもの…、そりゃ収入も上がりますよね』なんて話をしたいわけではないんです。

これからお話しする二つの世帯の前提は、以下になります。

  • ・40歳の夫婦+子供一人の世帯
  • ・世帯収入は1200万で同じ
  • ・生活費30万、家賃15万、教育費中学から私立とすべての支出は同じ
  • ただ違うのは、 世帯①は片働きの年収1200万円、
  • 世帯②は共働きで年収600万円×2=1200万円

という前提ですが、この2世帯のライフプランを比較することで共働きのメリットについてご紹介します。

メリット①手取り収入が違う(課税金額減)

まず、現役世代で違ってくるのは、二世帯の手取りです。

 

社会保険料、税金…と日本では、一般的に所得が高ければ高いほど高い割合で所得に対して課税されます。(累進課税)

 

結果、『一人で二人分稼ぐ』より、『二人でそこそこ稼ぐ』方が手取りが多くなります。

 

実際、件の2世帯では、同じ1200万円が収入として入っていますが、片働き世帯は共働き世帯より、社保・税金を含め54万円も多く払っています。

 

1年で54万円…。

20年で1080万円の差…。

 

これって大きいメリットですよね。

これがまるっと貯金できれば、キャッシュフローもかなり変わってきます。

メリット②キャリアプランの自由がききやすい→結果収入UPの可能性

私の人生を変えたといっても過言ではない、ライフシフト。(著:リンダ・グラットン著)

この本、2年ほど前に読みましたが、衝撃でした。

そうだよね…、『親と同じ生き方なんてできるわけないよね』『柔軟に変わり続けていかないと、どんどん自分の選択肢を狭めるだけだよね…』とリアルに感じ、これからのキャリアは、『勉強』と『仕事』を行ったり来たりしながら形成していく必要があることも確信しました。

 

『勉強』と『キャリア』を行ったり来たりしながらキャリアを形成していくとなると、勉強の期間は、不労所得の仕組みを作っておくか、勉強中はパートナーに理解と協力を求める必要があります。

 

パートナーが専業主婦でも、不労所得と理解が得られれば問題ないと思いますが、私は共働きでパートナーに稼ぎがあると、キャリアに関する新たな選択肢って、より生まれやすいと思うんです。

実際ウチでも、私がFP業における新しい分野での仕事に挑戦するために一時的に収入が下がりそうなときは夫に相談したり、夫が新たな資格を取りたい時は、私自身が働き方を変えたり、家事の分担を変更したり…と柔軟に対応しています。

勉強によって新たなスキルや知識を獲得し、収入が上がったり、より長期間仕事を持つことができれば、ライフプランはかなり明るいものになると確信しています。

メリット③リスクに対しても強い

突然の失業、病気…人生に『まさか』はつきもの。

でも、お互いが会社員であれば長期療養が必要になっても、有給や傷病手当金による給付があったり、介護が必要になったときも介護休暇が取れたり…と何かと補助があるものです。

傷病手当金についてはこちら(協会けんぽのページへ)→

 

また、万が一自分が死亡してしまったり高度障害になってしまったときも、残された家族に遺族年金や障害年金が払われます。

国民年金からも給付もありますが、会社員は万が一の時は厚生年金からも上乗せで給付があります。

 

共働きで社会保障制度完備の会社員であれば、万が一の時の保障も心強いものです!

FPが見る共働きのメリット(リタイヤ時代)

『年金なんてもらえない』まことしやかに囁かれ続けていますが、FPとしては都市伝説かと。

まぁ、今より好条件で年金を受け取れることはないことは確実ですが、年金の受け取りに関しても共働きは強い!

世帯で受け取れる年金額が多い

件の2世帯で確認すると、1200万円の収入を得続けた世帯①の年金は、専業主婦の奥さんの分も合わせて313万円/年。

世帯②の共働き世帯は、438万円/年になります。

年間125万円の差額。

 

社会保険料や税金が引かれるので、手取りの違いは113万円/年になります。(国保等は東京都大田区を参考に計算)

この差が生きている間ずっと続くんです。

65歳から受け取り始めたとして95歳まで生きたとすると、30年。(男性の平均寿命は現在は80くらいですけど、人生100年時代なので)

累計3,390万円…

先ほどの税金の差額1,080万円を考慮したとすると、4,470万円の違い…。

この違い、決して無視はできません。

まとめ

…分かってます。

特に子供に手がかかる時は、共働きママがどんなにハードな生活なのか。

また、専業主婦には専業主婦ならではの子供や家庭にとって、いいことも沢山あるということも。

 

ただ、少子高齢化が進む現在、今よりもより充実した年金制度や老後の社会保障制度を望むことは現実的ではありません。

ここ数年も年金制度や社会保障制度は改定が続いていますが、傾向から見ると高額所得者に厳しい改定になっています。

 

これは私の予想ですが、いわゆる中間層以下に関しては、社会的セイフティネット的な観点から見ても、おそらく大幅に不利な改定はやりづらく、今後も高額所得者(年収1000万円以上の層)にとって厳しい状況は続くと考えています。

あなたが主婦の場合やパートの場合でライフプランに改善が必要な時、旦那さんの収入が今後200万円上がる場合と、これから自分の収入を200万円上げることはどちらが現実的にお得か?また難易度が高いか?という視点で、ライフプランの改善を考えてみるのも一つの選択肢です。

 

また、一人で1000万円以上稼ぐのが難しい!という業種や職種の人でも、決して悲観することはありません。

正社員の共働きでそこそこ稼いだ方がメリットが大きいことは、かくも沢山あります。

  • ・手取り収入がUP
  • ・キャリアプランの自由度がUP
  • ・リスクに強い
  • ・年金が増える!

より不確実性が増す現在。共働きを続けることで、共働きならではのメリットが沢山受けながら、より充実したライフプランを築き上げていきましょう!

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