2020.07.17(Fri)
【エンディングノート】高齢の親と自分のためにアラフォーママが気軽にできること
資産運用認知度が上がりつつある、『エンディングノート』や『終活』という言葉。
子育てや仕事に日々忙しくしているアラフォー出産ママには、まだまだ縁遠い話かもしれません。
しかし、アラフォーママである、あなたの親世代はどうでしょうか?
おそらく多くは70代くらいのご両親。
まだまだ元気そうではあるけれど、親のふとした仕草ややり取りで、『年取ったなぁ…』と感じてしまう瞬間もありますよね。
今日は、アラフォー出産ママ世代というより、その『ご両親こそ作成することで、アラフォーママにとっても価値あり! 』のエンディングノートについてのご紹介です。
エンディングノートを作成しておくメリット
- ・親の介護や終末医療に関する親の意思が分かる
- ・それによって、兄弟親戚間の意見の食い違いも減
- ・親の看取り方や葬儀などについて決断しやすい
- ・資産や保険一覧や、口座からの引き落とし一覧があると、親の万一にも対処しやすい
高齢出産で後悔しない!
エンディングノートとは
エンディングノートとは、自分自身が終末期(死)に備えて、自分の希望を書き記しておくノートのことです。
書いておく内容としては、基本的に自由ですが、
・介護や終末医療について
・葬儀について
・資産や保険関係の一覧
・使用中の金融機関やクレジットカード一覧
・相続に関する自分の希望
・死後連絡してほしい連絡先
・自分史など
について書かれ、基本的に市販のエンディングノートに則って書いていただければ抜けがなく問題はありません。
『遺言を書くほどでもないけど、残された家族がなるべく困らないようにしておきたい』という方に向いていますが、どんな方でも作成しておくことを強くお勧めします。
こんな時に役立ちます
どんな介護?終末医療はどうする?
アラフォーママにとって、『親がエンディングノートを作成してくれていて一番助かった!』と感じるのはきっと、この項目。
『親がどんな介護や終末医療を望んでいるのか?』というところ。
なぜなら、一般的に終末医療に関しては、その時になって本人に確認しようと思っても上手く意思疎通さえできないことが予想されるからです。
いざ、その時になってしまった時に、どう自分が親のためにどう行動したらいいのか?
慣れないことだし、分からないことも多く、決断しにくい!!
でも、その指針となってくれるのがエンディングノートと考えて下さい。
私の両親は、幸いにもまだ健在です。
身近な存在で看取ったと言えば、ペットとして飼っていた猫。(親の存在感から比べると、比べようがないと言われてしまいそうですが)
ペットを看取ったことがある人ならご存知かもしれませんが、動物って弱り始めると本当にあっという間なんです。
『あれ、ご飯食べない。調子がおかしい…』と気が付いてから1週間後には、もう歩けなくなってしまってそのまま…という感じでした。
ウチの場合、飼い猫がご飯食べなくなった時点で、病院に連れて行き、診てもらいました。
そして『とにかく生きていてほしい』と願う私は、自分でも予想外な行動に出ます。
実は猫の調子が悪くなる前、年老いていく姿を見て私はこう考えていました。
『もう、おじいちゃん。動物だし自然のままに任せよう…』と。
ペットとはいえ人とは違う、動物なんだ。
延命治療的なことはしないほうが彼にとってもいいだろう、と。
しかし、実際取った行動と言えば、まさにその真逆。
仕事の合間を見計らって、できる限りの通院。
さらにウチでも点滴…。
高額な猫用栄養剤の購入…。
と、自分が以前考えていたこととは真逆の行動に出たのです。(私のエゴなのですが…)
これは、あくまでもペットの話(個人的には大切な家族ではありましたが)であって、人間、ましてや親とは重みが違うでしょう。
でも、だからこそ、そんな状況に陥った時、深く悩み迷うと思うんです。
また関わってくる人間も兄弟姉妹、親の兄弟姉妹…と、数が違う。
考えただけでもため息が出そうですが…、
もし、こんな時に親が望む介護や終末医療を書き記していたら、状況は一気に変わるはずです。
きっと、自分でいろいろ想像して想い悩むよりは、決断の多くを本人のエンディングノートを参考にしながら検討し、本人の望む形が取れるよう最大限努力するでしょう。
それは本人にとっても幸せなことだろうし、自分自身も折り合いがつけやすいことになるはずです。
また関わらる人間の数が多い場合は、時に意見が割れることもあるかもしれません。
でもそんな時も、やはりエンディングノートの出番。
本人が望むことが書いてあった場合、みんなが納得する形で事を進められることも多いのではないでしょうか?
親にとっても、子どもにとってもエンディングノートは大いに役立つはずです。
引落一覧・財産一覧があると大助かり!
親の生活費を知っていますか?
付き合いのある金融機関すべて、把握していますか?
加入している保険をすべて、ご存知ですか?
月々の引き落としがどんなところから、いくらくらいあるか知っていますか?
万が一の時に発生する相続。
そもそも、相続は資産全体の状況が分かっていないと、何も進めることはできません。
また相続の手続きは、放棄するには3カ月以内に、税金を払うにしても10カ月以内に…とそれぞれ期限が決まっており、規定期間を過ぎてしまうと厄介です。相続のスケジュールについてはこちら→
保険だって、亡くなったら自動的に下りてくるものではなく、加入していた保険会社に申請しなければ保険金は受け取ることはできません。
人が一人亡くなるというのは大ごと。
法要などもあり、3カ月、10ヶ月なんてあっという間に過ぎてしまいます。
そんな中で、『故人の遺産が把握しきれない』というのは、かなり困ります。
生活関係の引き落としを止めたり、保険金を受け取ったり…とやることが山のようにある中で、『それらに関する一覧がある』という状況は、残された人間にとって大いに助かります。
法的効力はなし
しかし、エンディングノートには法的効力はありません。
あくまでも、本人の覚書。もしくは残された人の意思が記されたもの。
残された人は意思を尊重しなくても、罰せられることはありませんし、本人の希望が絶対に通るわけではありません。
それは相続に関しても、同じ。
もし、相続に関して強い希望がある場合は、遺言書を作成する必要があります。
作成の『きっかけ』を逃さない
『まだ介護なんて必要ない』
そんな時こそ、話題にしやすいエンディングノート。
(目に見えて死期迫る人には、普通にエンディングノートの話なんて、できないですよね…。)
お盆やお正月などしか直接顔を合わせない親子も多いと思いますが、子どもからはなかなか勧めにくいものです。
しかし、もし親の方から『〇〇さん、介護施設に入られてね…』とか、『私がもし介護が必要になったら△△してほしいなぁ…』みたいな話が出たら、その時がチャンス!
すかさず、エンディングノートの存在をお伝えしてみましょう。
私も、親から介護に関する希望の話題が出た時に『言ってくれるのは有難いんだけど、希望にちゃんと沿いたいし、私一人で決められることでもないから、よかったら書き留めておいて!エンディングノートって知ってる?』…みたいな感じで、勧めてみると本人たちも『そういうのがあるんだ~。それはいいね。』となりました。
ちなみに今は、二人とも記入済みの状況になっています。
市販ノート一例
親の作成意思が確認できたら、すぐにネットでエンディングノートを購入して送ってあげましょう。
『今必要じゃないもの』に、人はとにかく億劫になるものです。
様々なタイプのエンディングノートがありますが、よくお勧めするのがこちら→
介護や病気、金融資産のこと、自分史など、様々なジャンルの情報をバランスよく網羅しているこちらのノートがお勧めです。
無料でダウンロードできるものもありますが、人生の大切な情報を書くのですから、ちゃんとしたノートに書き記しておきたいものです。
まとめ
高齢で意識高い方であれば、自発的に書くことも増えてきたエンディングノートではありますが、『実際書いている』というのは、まだまだ大多数ではありません。
人は誰しも、いつか亡くなります。
いつまでも、変わらず元気にいてほしい私たちの親も、例外ではありません。
その時になって、深く思い悩んだり、大きなトラブルになるようことは誰も望んでいないはずです。
エンディングノートは作成するだけで、
- ・親の介護や終末医療に関する親の意思が分かる
- ・それによって、兄弟親戚間の意見の食い違いも減
- ・親の看取り方や葬儀など決断しやすい
- ・資産や保険一覧や、口座からの引き落とし一覧があると、親の万一にも対処しやすい
と大きなメリットがあります。
みんな元気で話しやすいうちこそ、エンディングノートの作成に取り組んでみましょう!