2023.09.29(Fri)
【2024年NISA】夫婦でフルに3600万の非課税枠を使おう!注意点はココ!
資産運用2024年から新しいNISA制度が始まります。
生涯の非課税投資枠が一人1800万円。
夫婦二人がフルで使うとなると3600万円というかなり大きな投資額となります。
例えば、40歳夫婦がそれぞれ月10万円(夫婦で月20万円)を15年積み立てすると3600万円の枠を使うことができます。
さて、この3600万円。
もし3%で運用できた場合、15年後には一体いくらになっているでしょうか?
…答えは、約4550万円!
そう、1000万円近く増えるのです。
…この増えた1000万円。
もし、NISA口座で非課税の恩恵を受けない場合は、約200万円の課税があります…(結局手取りの利益は800万円に。)
しかしNISA枠で積立てたものに関しては、増えた約1000万円を非課税で受け取れるのですから、使わない手はありません!
※『3%での運用って現実的なの?』と考えるあなたはこちらをご覧ください。→つみたてNISA早わかりブックへ
ここだけ聞くと、『新しいNISA始めなきゃ!』と前のめりになってしまいますが、何も考えずに積み立てを開始するのは得策ではありません。
効率的に夫婦二人の非課税枠を使い切りたい!と考えるのであれば、そのための下準備をしていきましょう。
夫婦の年収が同等な場合
まず、夫婦の年収に大差がない場合。
この場合は、大きく配慮するところはありません。
シンプルに夫婦それぞれ口座を開いて積立てるようにしましょう。
それぞれの証券口座から、毎月積み立てを継続していく…
結果として夫婦の非課税枠を使い切る!
一番シンプルな形となります。
夫婦の年収差が大きい場合
共働きとはいえ、それぞれの夫婦の役割が家庭内で決まっている場合も珍しくありません。
妻も働いてはいるが、メインの収入源は夫という場合は、必然的に夫婦間での収入の差が大きくなります。
そこで起こりがちなのが、収入のある方の非課税枠ばかりが使われて、妻の方の非課税枠が全然使いきれないケース。
夫の名義でどんどん積立てていって枠を使い切っても、妻の枠は空いたまま…ではせっかくのNISA枠がもったいない!ですよね。
では、夫婦でフルに非課税枠を使いたい場合、どうするか。
収入の高い方の資産を低い方のパートナーに非課税枠内で贈与する
ということを計画的に行っていくことが大切になってきます。
一昔前は、夫の財産もすべて妻が管理していて実質妻のもの…みたいな夫婦もいたかもしれませんが、現代においては資産は『個人に属するもの』という形がより明確になっています。
原則として、夫婦間であっても個人の財産はそれぞれの個人に属することとなります。(シンプルに夫名義の財産は夫のものであって、妻のものではありません。)
ですので、夫の証券口座への入金は、夫の名義の銀行口座からしか入金ができませんし、妻の証券口座に夫の銀行から直接振り込みこともできないわけです。
そこで、妻の非課税枠を使って、妻の名義で資産を増やしたい場合は
贈与の非課税枠である110万円/年までの現金を目安に、収入が低い方の銀行口座へ贈与
⇒そこから証券口座へ入金
というステップを踏むことが必要となります。
また夫婦の年収差が大きい場合のみならず、日ごろの収支において、夫婦のどちらかが『貯める担当』、どちらかが『支出担当』になっている場合にも同じことが言えます。
この偏りをできるだけ解消しておくことが新しいNISAで積み立てる前に準備しておきたい大切なポイントになります。
新NISAを夫婦で始める時の注意点
夫婦それぞれのNISA枠が使い切れそう!…そんな下準備ができたなら、次に確認しておきたいのが夫婦間での情報共有です。
大きな金額の非課税枠があるだけに、枠を使いたいと考える人も多いと思いますが、資産が大きく育っていきそうだからこそ、その前に夫婦で確認しておくべきことがあります。
『お得そうだから!』という理由だけで、短絡的に夫婦が情報共有せずにそれぞれが無計画に資産運用を始めることは絶対にお勧めできません。
まずは、
夫婦で別財布の場合は、それぞれ収支&資産の状況確認を!
ぜひやってから運用に取り組んでください。
共働きの場合で時々見るのが、夫婦それぞれが別会計になっていたり担当制になっていたりして世帯としての収支状況や資産状況をきちんと把握していない夫婦。
この場合は、それぞれが新しいNISAを始める前に、必ずそれぞれの収支状況と資産状況を最低限確認しておきましょう。(本当はライフプランの作成が最善策ですが、ハードルが高すぎる場合は最低限、ここは共有しておきましょう)
本格的に運用を始める前に、資産情報の共有やライフプランを作成することで確認することは、
・それぞれがいくらくらい運用資産に回して行けそうか
・どんな資産種類(株や債券など)を増やしていけばよいのか?
の2点です。
運用する金額については、5年以内に使いそうな資産と緊急予備資金は最低限現金で据え置くとしたら…というところを前提に、運用に回していく金額について考えてもOkです。
また『どんな資産を増やしていけばいいのか?』についての考え方は、こちらを参考にしてください。
まとめ
金融業界からのみならず、広い層から注目の的となっている2024年の新しいNISA制度。
はりきって使っていきたいところですが、『急がば回れ』です。
夫婦二人でフルに非課税枠を使いたい時は、まずはその下準備をしておきましょう。
場合によっては、収入が高い方が低い方へ資産の贈与をした方がいい場合もあります。(あくまでも夫婦仲よく最後まで添い遂げることを前提としたご提案です・笑)
また、日ごろの収支において『使う側』『貯める側』に分かれている場合は、その偏りを解消しておきましょう。
運用とはいいときばかりではありません。
不調な時に、ライフプランに影響がでにくいように、そして将来後悔しないためにも、本格的に始める前には夫婦間でしっかり情報共有と計画を立てましょう。
資産運用を始め、そして継続することで、多くの人のライフプランが実現されていくことを心から応援しています。