2021.06.21(Mon)
【年下妻、必見】共働き・年の差夫婦の損しない年金の受け取り方!
老後資金・確定拠出年金(iDeCo)人生100年。
長い人生。
老後のライフプランを考えた時に、不安ではない人は少ないでしょう。
特にアラフォーで出産したがゆえに、教育費ばかりに意識がいってしまい、夫婦での老後資金を貯められなくてかなり心配…というママも少なからずいるはずです。
現実的に対策を打てればいいのでしょうが、老後に向けて『今だって貯蓄に励んでいないわけじゃないし、これ以上節約やら年収上げるのも現実的じゃない…』そんな場合もあるはずです。
だからこそ、老後を見据えた共働きアラフォー出産ママのライフプラン&年金の受け取り方は、超重要!!
知らなくて損した!ということがないように、今から知恵をつけていきましょう。
『正社員共働きの年の差夫婦が、平均寿命を全うする』という前提でライフプランを考える時、一般的に老後の心配をより少なくし、お得に年金を受け取れる考えられるのは以下のパターンです。
- ・夫が先にリタイヤしても、妻は定年まで働くのが基本
- 妻が働く間は
- ・夫の国民年金は繰り下げて、受取額を増やす
- ・厚生年金は繰り下げしないで、受け取り、妻は加給年金も受け取る
※あくまでも一般論です。状況によっては最善策は変わってきますので、自分の状況を正確に知りたい場合は個別にご相談ください。
夫退職後も妻は働くのが基本!
今回は、夫との年齢差5歳差の共働きママ(手取り500万)をモデルケースとして考えたいと思います。
年齢離れていたら気になる夫の退職後の妻の就業。
夫が退職するから私も…なんて、何も考えずに退職しないことがまず大切です!
退職するかどうかは、『これからの年金生活での収支と自分の資産がどういう状況になっているか?』をしっかり把握した上で決めましょう。
歳の差が大きくなればなるほど、安易にやめてしまう→生涯年収が減り、この安易な決断を後々後悔することになります。
例えば、夫が5歳差で、妻の手取りが500万円の場合は、もし夫が退職した後の5年間継続して働けば、収入として2500万円の差が!!生まれます。(自分の年金も増えるよ!)
その他アラフォー出産ママが長く働くことでのメリットの詳細はこちらでも確認してください。
年下配偶者は加給年金を受け取る
例え妻が働いていたとしても、夫が年金を受け取り出したら妻が受け取れる年金があることを知っていますか?(夫が20年以上厚生年金に加入していて、妻が65歳未満で年収850万円未満の場合)
それが加給年金です。
これ、年間およそ39万円ほどになるのですが、妻が自分の老齢年金を受け取るまで加給年金を受け取ることができます!
例えば、5歳差の夫がいる妻の場合、勤務を続けていても39万円×5万円→195万円が受け取れるのです。
これは年金とは別に、申請する必要がありますので、時期が来たら忘れずに申請しましょう。
妻が働く間、夫の国民年金を繰り下げ
次に考えたいのが、夫の国民年金を繰り下げ受給で受け取ることです。
年金は二階建てになっていて、全ての国民が入っている国民年金と会社員などが加入している厚生年金がありますが、その国民年金部分だけを受け取らず繰り下げる方法です。(公的年金についてはこちら)
ポイントは厚生年金も繰り下げてしまうと、加給年金が受け取れなくなること。
なので、妻の収入と加給年金、夫の厚生年金だけで生活ができそうであれば、繰り下げるのは国民年金だけにしましょう。
年金はひと月繰り下げる毎に受取金額が0.7%増えます。(繰り下げ受給のメリットはこちら)
例えば、5年間受け取りを遅らすことができた場合、0.7×60カ月で年金額は1.42倍になり、それが終身続きます。
国民年金の年金額は満額で年約78万円ですが、78万×1.42=110.76万円まで増やせるということです。
夫の厚生年金は繰り下げするか?
ここでさらに考えておきたいのは、妻が働く間に夫の厚生年金も繰り下げるかどうか?
前述しましたが、知っておいていただきたいのは厚生年金は、繰り下げている間、妻の加給年金の支給がないことです。
さらに、繰り下げるということは、その間年金は受け取らないということ。
繰り下げて受け取らなかった年金は増えますが、加給年金は受け取れなくなりますし、最終的にトータルで受け取る年金額を増やすには時間が必要になります。
なので、厚生年金も繰り下げるかどうかは
- ・夫の寿命が長く続きそうであること
が決断のポイントになります。
人の寿命なんて分かりませんので、決断しにくいものです。
基本的な考えとしては、
- 加給年金+繰り下げ前の老齢年金総額 < 繰り下げて1.42倍された老齢年金総額 - 加給年金
であればお得となります。
年金の受け取り方を変えることで、どれくらい違うかを比較してみましょう。
実際に条件は以下とし計算してみましたので、参考にしてください。
- ・加給年金を受け取れる5歳差夫婦で
- ・夫の年金が200万円(78万円の国民年金+122万円の厚生年金)
- ・65歳男性の平均余命は19.55年のため寿命は84歳で計算
- 比較①そのまま65-84歳まで年金を受け取る
- 比較②65歳-69歳までは国民年金のみ繰り下げ
- 比較③65歳-69歳までは国民・厚生年金全て繰り下げ
加給年金 | 65-69歳で受け取る年金 | 70ー84歳で受け取る年金 | 合計 | ||
そのまま受け取る | 195 | 1000 | 3000 | 4195 | ① |
国民年金繰り下げ | 195 | 610 | 3480 | 4285 | ④ |
全て繰り下げ | 0 | 0 | 4260 | 4260 | ⑤ |
単位:万円
そのまま受け取る場合
繰り下げなどせずに、そのまま年金を受け取る場合は①になります。
195万円(39万×5年)+4000万円(200万×20年)=4195万円-①
国民年金のみ5年繰り下げた場合
次に、国民年金のみの繰り下げを決めた場合です。
65-69歳までは
195万円(39万×5年)+610万円(厚生年金122万×5年)= 805万円ー②
70-84歳までは
1650万円(110万円×15年)+1830万円(厚生年金122万×15年)=3480万円ー③
②+③=4285万円-④ で、
夫婦ともに平均余命を超えて生きる場合は、国民年金を5年間繰り下げた方がお得と考えられます。
年金はすべて5年繰り下げ、加給年金も受け取らない場合
次は、加給年金を受け取らず、厚生年金も国民年金も繰り下げ受給する場合です。
65-70歳までの年金はゼロ。
70-84歳までは
200万×1.42×15年=4260万円ー⑤で
84歳時点では、そのまま受け取る①<年金を全て繰り下げ<国民年金のみ繰り下げという結果となります。
まぁでも、このケースの場合ですと、後2年も生きれば、加給年金を受け取らず国民・厚生年金の両方を繰り下げるのが最もお得になります。
まとめ
年金の繰り下げは、単純に金額の問題だけでなく、その世帯の金融資産の状況や本人以外の収入など、様々なことを確認して決定していく必要があります。
また、『損した』『得した』というのも、寿命によって左右されるため、決断が難しいものです。
まずは、
- 年上夫がリタイヤしても妻は働く前提で。
- 加給年金を受け取りたいなら、厚生年金の繰り下げはしない!
と頭に入れておきましょう。
そして結論としては、
- ・自分にどんな選択肢があるのかを把握しておくこと
- ・損得にこだわりすぎず、 『老後二人の生活』、そして『配偶者に他界された後の生活』もちゃんと成り立つような収支になっていること
が重要になってきます。
不安の多くは、『よく分からない』というのが根源になっているものです。
老後不安に関する様々な情報がありますが、一般論に左右されすぎてはいけません。
あなた自身の老後には『何が足りていて、何が足りていないのか?』しっかり把握し、その上での決断を重ねていかれることを強くお勧めします。
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