2020.09.16(Wed)
働く女性が高齢出産のメリットを得るための2つの条件
ライフプランもともと『高齢出産狙って人生設計考えてます!』という女性は、どれくらいいるものなのでしょうか?
私も含め、高齢出産になった女性の多くの場合、『狙った結果』というよりは、仕事や個人の楽しみなんかに時間を費やしてしまった結果、『あ!やばい!!もう40近くなってる…!!』とハタと気が付いた時には、そんな状況になっていた…なんて人の方が多いのではないでしょうか?(私見です)
シンプルに、『高齢出産』というワードでググってみるとページ上には身体リスクに関する記事がいくつも目に入ります。
確かに高齢出産の場合、帝王切開での出産比率が高まったり、胎児の健康リスクが高まったり…という話はよく聞きます。
またお金面で言うと、大学卒業頃には両親がそろって還暦前後だったりするので、教育費や老後資金を同時に貯めないといけなかったり、住宅の購入もアラフォーになってしまって、退職後もローンが続いていたり…と、こちらも決して楽観視はできません。
でも、ここで敢えて考えてみたい、FP視点による高齢出産ならではのメリット!
世の中多くのことに良い面と悪い面があるように、『仕事をしてきたからこその高齢出産ならではのメリット』というのも確かに存在すると感じます。
しかし、メリットを得やすい状況にするには、出産時に以下2つ状況であることが多いです。(すべてのケースに該当するわけではありません)
- ①キャリアがある
- ②経済的に余裕がある
もちろん、個人の状況はそれぞれですので、この2つが整わなくてもメリットを得られるケースはあります。ご参考としてお読みください。
①キャリアがある分、復職に対する不安減!
アラフォーで出産するのであれば、ある程度キャリアを築いておいた方がメリットは得やすいと考えます。
その最大のメリットは、ズバリ産後も仕事を続けやすい環境になりやすいこと。
実際にアラフォーで初産の場合は、長く仕事をしていることも多いものです。
もし、あなたが仕事を長く真面目に継続していれば、会社内での信頼関係が既に構築されていたり、職種によってはある程度の自由度がある働き方を許される可能性もあります。
まだ、子どもが生まれる前であれば、あんまりピンとくることもないかもしれません。
しかし現実的に、子どもが生まれると、自分だけの努力でコントロールできないことが格段に増えます。
例えば、子どもの病気で急な保育園からの呼び出しがあり、会社を早退・休むことを余儀なくされる状況になることも多々あります。
そんな困った時に周りのフォローがあったり、スケジュールにそれなりの裁量がある働き方ができるのであれば、それは本当に心強い環境です!!
ちなみに、一般的に高齢出産ママの場合は、出産が後ろ倒しになってしまった分、教育費と老後資金を同時に貯めなくてはいけないのですが、(子ども20歳で親還暦)
ここで『継続的に仕事ができるかどうか?』というのは、あなたの今後のライフプランにかなり大きな影響を及ぼすと自覚してください。
つまり、キャリアがあることのメリットは、『子育てしながらも仕事を続けやすい環境』に身を置きやすく、結果として今後のあなたのライフプランにも好影響!となりえることです。
②経済的に余裕がある
特に産後は『お金で解決できる』ことは多い
身も蓋もない現実的な話です…。
しかしながら、アラフォーで出産となった時にメリットを感じられるとしたら、若い時に比べて
- ・収入が上がっていること
- ・貯蓄が増えていること
はこの上なくメリットを感じやすい要因になります。
なぜなら、アラフォー出産ママには、多く場合で体力は残っていません。
そもそも、出産ですら様々なリスクを乗り越えて何とか頑張った…といったところなのに、その直後から容赦なくスタートする24時間体制の子育て。
気持ちはあっても体がついてこないという状況に陥りやすいのが、アラフォー出産ママの産後。
もちろんパートナーも最大限手伝ってくれるとはいえ、働き盛りのお年頃。
親は70歳前後で、そんなに頼ってばかりもいられない…。
そうなると、どうしても頼りたくなるのが、時短家電だったり、家事代行サービスだったり、病児保育専門のシッターさんだったり…。
そう、お金がかかるんです。
でも逆に、お金でこの体力的な大変さや、それが原因でおこる精神的余裕のなさから解放されるのであれば、それはそれで、有意義な支出ではありませんか?
そして何より重要なのが、この大変な時期に『支出するかどうかの選択肢がある』ということ。
実際、支出をするかどうかはあなた次第ですが、この『貯蓄があり経済的余裕があること→選択肢があること』自体が、アラフォー出産のメリットとなると考えます。
(この『とにかく共働き子育ては大変』状況は、一般的には子供の成長とともに2,3歳までにはある程度解消されますので、一時的な支出として考えてOKです!)
将来の資産形成がしやすい
教育費や老後資金を同時に貯めなければいけない(子ども20歳で親60歳)アラフォーママにとって、効率的な資産形成を計画することは超重要なミッションです。
今後の資産形成を計画する時に、運用を含めた計画を立てられるのも貯蓄や収入のベースがあってこそ。
たとえ将来の必要なお金に不安や問題があっても、現在の資産を上手く活かしたり積立方法を変えることで解決の糸口や改善策が見つけやすいものです。
いたずらに不安になってはいけません。
しかし、55歳以降収入が下がっていく会社も多い上に、老後までの時間は刻々と短くなっているため、少しでも早めに行動に移すことが重要です!
賃金が高いと、育児給付金が多くなる
アラフォーで働く女性の中には、20代の頃に比べれば給与が上がっている人も少なくないはずです。
育休の時にもらえる給付金はあなたの賃金によって変わりますが、育児給付金は直近の賃金が高い人ほど多くの給付金がもらえます。
目安は育休取得~半年は賃金の67%、それ以降1年半までは50%となります。(上限は約45万円)詳しくはこちら→
育休期間は働いていないけれど、それなりの給付金でベースを作ることができ、経済的心配が減り気持ちに余裕を持って子育てもできます。
まとめ
アラフォー出産と一言で言っても、その背景は一人ひとり違うのが当たり前。
まさに十人十色です。
母子ともに健康リスクを指摘されることも事実ですが、そんな中でもキャリアや経済面での余裕はメリットとして挙げられます。
また高齢出産ママに共通していることとして、教育費と老後資金を同時に貯めていかなければいけない状況にあることがありますが、
それでも、仕事を続けてきた高齢出産ママならではのメリット
・キャリアがある
・経済的余裕がある
のある状況であれば、乗り越えられる環境にあるはずです。
もちろん『貯蓄してこなかった…』『収入が思ったより上がらなかった…』なんていう場合もあるでしょうが、出産を機にライフプラン全体を見直すことで、高齢出産をメリットに変えられるケースもあります。
最後に。
FPブログなので、今回もFP視点からの話でしたが、それでも何より、
高齢出産ママはみんなアラフォーにして新しい命と出会えたことには間違いなく、そのこと自体、神様からの素敵な贈り物で、とても幸せな経験だなぁと個人的に思っています。