2020.04.09(Thu)
ネットで生命保険加入するメリット・デメリット
保険新コロナウィルスの影響で人に会うことを自粛されている方も多いと思います。
ウィルスで多くの人の生活が一変するという、映画のような事態が本当に起こってしまいました。
私も、日ごろの当たり前の生活がなんと有難いものであったのかを痛感すると同時に、自身が感染拡大の原因にならないよう行動自粛を続ける日々です。
万が一の事態と言えば、個人にとっては『死亡・病気・けが』などになるかと思いますが、それに対応してくれるのは生命保険。
感染者が増加する一方であれば、自分だって、感染の可能性がゼロではないと考える人も少なくないでしょう。
『私の保険、どうなっていたっけ…』
そう思って保険を見返してみたり、これをきっかけに保険を入り直そうと思う方もいるかもしれません。
多くの保険ショップは店舗を閉鎖となっている今、ネットで生命保険の加入を考える方も増えています。
今回はネットで生命保険の加入を検討する方へ、ネットでならではのメリット・デメリットをお伝えします。
- メリット
- ・安く加入できる
- ・人(外交員)に会わずに契約を締結できる
- 注意点
- 自分に合った保険を判断しにくい
ネットでは、主に自分で情報を収集しながら選択することとなります。
保険商品自体のコストが安くても、自分にとって必要ない保険を選んでいたり保障が足りない形で選択していると、万一の時にきちんとカバーされず、意味がありません。
そもそも、どんな種類の保険(医療?がん?死亡?)が、どのくらい必要になりそうなのかを把握した上で、選択しましょう。
メリット①とにかく安く加入できる
ネット保険の最大のメリットと言えば、保険料が安い場合が多いこと。
営業員を通さずネットで加入をしてもらうことで、保険会社は営業費用の多くを削減することが可能です。
まぁ、そりゃそうですよね。
ほかの業種もそうですが、営業員を抱えず、営業所も持たず、ネットメインでの営業をしていれば、当然と言えば当然です。
ネット系生保会社は、その浮いた分で加入者の方に保険料を安く保険商品を提供しています。
長く支払いが続く保険。
特に掛け捨てであれば、明らかに安いに越したことはありません。
メリット②人に会わずに加入できる
『興味があるけれど、話を聞いたら断りづらいな…』
『しつこい営業をされたらどうしよう…』
生命保険の営業に限らず、営業に対してそういったイメージを持つ方も多いですし、現実的にまだそういったスタイルで営業を続けている方もいるかもしれません。
そして何より今は新型コロナウィルス拡大中。
人に会わずに契約までできるのであれば、それに越したことはありません。
ネットであれば、人を介さず、そういった煩わしさからは解放され、自分で存分に比較検討した後に自分の好きなペースで加入を進めることができます。
対面加入がお勧めな人
自分で準備すべき保険を判断できない人(公的社会保障に詳しくない人)
『保険くらい、比較サイトを見れば簡単に選べそう。』
多くの方がそう思っていらっしゃるようです。
でも、そこに大きな落とし穴があります。
勿論、保険商品の優劣だけを考えれば、それは事実かもしれません。
例えばシンプルな死亡保険であれば、『保障額の大きさに対して、いくら保険料を払うか』さえ分かれば誰にとってもどちらを選べばいいのかは明白です。
しかし、そもそもの前提として
『あなたにとって必要な保険種類(医療?死亡?就労不能?)をちゃんと選べているか?』
『あなたにとって必要な保険金額を選べているか?』
この2点が適切にできていないと、商品の優劣を比較したところで意味がありません。
例えば、医療保険は不要な人がどんなにコスパの良い医療保険を選んでいても、ただの無駄遣いになってしまいますよね?
そもそも加入する必要のない保険に加入してしまうと、それだけで何百万円もの不要な支出をすることになります。
『何百万円?そんなに違わないでしょ?』と思った人は、あなたの毎月払っている保険料に残りの払い込み年月で掛け算してみましょう。
結構大きい数字が出てきませんか?
『みんなが加入しているみたいから…』そんな理由だけで保険種類を選択せずに、あなたに既に備わっている公的社会保険制度も把握し、それでも足りないところだけを民間の保険で準備します。
結果的に、本当に効率よく保険に入りたいと考えるとライフプランの作成が一番近道であることが分かります。
*ライフプランを作成すると、今後の収入の推移や将来必要なお金の中長期的な資産形成計画を立てられることは勿論、公的保障や貯蓄額を差し引いた上で自分が準備すべき保障金額や保険種類も分かります。
確かにネットで加入することで、より安い商品に加入できる可能性はぐっと高まります。
でも、そもそもの選定を間違えると、得するどころか大きな損になることもありますので注意してください。
調べ物が不得手な人
ネットで加入するということは、
- ⇒契約者が自分に必要な保険種類を選定
- ⇒自分にとって必要保障額を決定
- ⇒保険商品を比較
- ⇒説明や注意事項を読み、納得
- ⇒契約へ
というプロセスを進みます。
内容に関して相談したいときは、チャットや電話での相談窓口があり、対応している会社も多いので、全く分からないということはないかもしれません。
しかし保険に不慣れな場合、膨大な時間が必要となり、それなりに注意する点を事前に調べておく必要もあります。
そもそも、調べ物に対してあまり得意ではない方は対面でアドバイスを受けながら保険種類や商品を選定した方が無難です。
健康状況が良くない人
一般的に、ネットで加入する保険は引き受けの医務査定が厳しい傾向にあると言われています。
あまり知られていませんが、対面面談している保険募集人(外交員)は、保険を勧めるだけでなく、ヒアリングの中で加入者が保険の加入ができるかどうかの第一次選択者としての役割も果たしているため、その分、査定がゆるやかであるとも言われています。
もちろん健康状況によっては、ネットであっても対面であっても加入が難しいケースはあります。
しかしこの健康状況の引き受けに関して、各社それぞれの独自規定があるのはご存知でしょうか?
例えば、ある疾病が原因でA社では加入できない人でも、B社では加入できるという事実があることはご存知でしょうか?
このような細かい条件に関わる部分は、AIチャットやコールセンターなどの一般的な回答で得られることは難しいのですが、対面で複数の保険会社の取り扱いの経験のある募集人であれば、『その疾病であれば、〇〇保険会社の△保険であれば、加入できる可能性がありますよ』とアドバイスをもらえる場合もあります。
『一度、ある保険会社で引き受けを断られたことがある』、『持病があるため保険は厳しいと自覚している』そんな方であれば、対面で複数の保険会社の取り扱いのある保険の外交員の方に相談してみると、自分では気が付かない解決策を提案されることもあり得ます。
まとめ
色々なものがネットで買えるようになり、この流れはこのコロナウィルスの影響でますます拍車がかかりそうです。
ネットでの契約締結により、コストが削減され保険料が安くなった分、契約者がより安く保険に加入できるのであれば、それはとても歓迎すべきことです。
でも一方で、商品のコスパばかりに気をとられ、自分にどんな保険が本当に必要で、必要なのであればどのくらいの保険金額なのか?という本質的なところに注意を払われていなければ本末転倒です。
もともとコスト意識が高い人が選ぶことが多いネット系生命保険ですが、ネットで加入する場合は、
保険商品自体に詳しいことより、周辺知識である社会保障に関する知識の方がより重要であることを肝に銘じてください。
結果的にはそれが一番のコスト削減につながります!
そのあたりの知識に自信がない方は、もちろん当事務所のような独立系FP事務所にライフプランの作成を依頼し本当に必要な保険についてアドバイスをもらうことも一つの選択肢です。
確かに、相談料として初期コストはかかりますが、自身の判断で無駄な保険にまで加入したり、保険の営業の人(保険を売ることを仕事とする人)の言葉を鵜呑みにして大きすぎる保険に加入してしまうことで何百万円も損してしまうのであれば、相当効率の良い初期投資になるのではないでしょうか?