2020.02.14(Fri)
住宅購入のタイミング。共働き夫婦が優先すべきは損得よりライフプラン!
ライフプラン / 住宅『オリンピックが終わったら、不動産価格下がりますかね?』
『住宅ローンが長く組めるから、若い時買った方がいいって同僚に言われているんです。』
そんな都市伝説?(笑)に惑わされて、いつ、住宅を買うべきか判断できず、悩んでいらっしゃる方も多いです。
『やっぱりあの時(不動産価格や金利が)安かったから、買っておけばよかったぁ!』
なんていうのは結果論で、FPとして特に共働き子育て世代にお勧めしたいのは、住宅はライフプランに合ったタイミングで購入すべきということです。
そして、そのライフプランに合ったタイミングとは?
共働き夫婦で言うならば、…それは『家族構成が大体決まって~第一子小学校入学前年夏まで』に他なりません!
住宅購入は家族構成が決まってからの方が無駄が少ない
変化する夫婦の価値観
子供を産んだことがある女性であればご理解いただける方が多いかもしれませんが、子供が生まれてからの価値観って、自分でもびっくりするほど変わりませんか?
子供がいなくて共働きだったころは、
・多少狭くてもOK
・駅までの距離が近い
・都心への出やすい
・夜道もそこそこ明るい
・おしゃれなお店やカフェが近くにある
…だったりしたのが、子どもが生まれると一変!
・保育園に入れそうな自治体か?
・治安はいいか?
・ちょっと出かけたところに公園があるか?
・図書館や児童館は近くにあるか?
・日々の買い物に不便はないか?
・指定学区の公立小学校の評判は?
…と気になるポイントが一変するからびっくりです。
子供がいなかったときは、幼稚園児や小学生を見てもなんとも思わなかったのが、子どもが生まれると、『ウチの子も将来行くのかな…?どんなところだろう。通学ルートはどうだっけ…』と気になりだします。
そりゃそうですよね。大切な我が子の教育に関わることですから。
そういった出産後の価値観の下で選ぶ住宅エリアと、そうでないエリア。
勿論、違ってきます。
実際に、子供がいないDINKS時代に住宅を購入したエリアの公立小学校が荒れていることを知り、小学校の進学を私立にすることとなり、ライフプランが大きく変わったというご相談ケースも経験しています。
住宅は一旦購入すると、なかなか気軽には移れないもの。
特に子育てを考えている人は、住宅の購入は結婚してからのバリバリ共働き期間に検討を始めるのではなく、子育て期間の多くを過ごすと思われる『子供が生まれてから』の価値観で決断できるタイミングに、まずは定めましょう。
ライフプランの立てやすさ
『住宅は子供が生まれてから以降のタイミングで』。
もちろん、それからで構いません。
でも、第一子が生まれてからすぐ購入を検討するのではなく、できれば家族構成が決まってからの購入の方がよりお勧めです。
なぜなら、家族構成が決まってからの方がライフプランが断然立てやすいから。
どのタイミングで、教育費が本格的にかかり始めて、どのタイミングで、子どもが独立し、どのタイミングで自分たちの老後生活が始まりそうか…
家族構成が決まると、ぐっとライフプランが具体的に、かつ、立てやすくもなってきます。
もちろん、時の経過とともに変化することやプランもあり、初めに立てたプラン通りいくことは少ないでしょう。
しかし大まかにであっても、かかりそうな教育費・老後資金を把握した上で、購入する住宅をいくらにするか決めることができるのは、破たんしないライフプランを作るための必須条件となります。
あなたは、現段階でとりあえずお金が借りれそうな物件を購入したいのか?
それとも、生涯にわたって、教育費・住宅費・老後資金が健全な収支でまかなえるような物件を購入したいのか?
しっかり考えて決断する必要があります。
間取りの問題
小さな子供を育てる共働きの夫婦にとって、通勤時間はできるだけ短くしたいもの。
しかも最近は自然災害も多く、交通機関が早々と運休を決めてしまうことも珍しくなく、勤務先と自宅が離れているより近い方がいいと考える夫婦も増えています。
しかし、都内近郊の物件は軒並み上昇中。
もし、通勤しやすいところでの自宅購入を考えるのであれば、できるだけ家族にとって効率の良い間取りを考えて予算を抑えたいところ。
そうなってくると、気になってくるのが子供の数であったり、子供が複数の場合はその性別。
できればこの辺り(子どもを何人にするか)も、大体決まってから購入した方が家族にとってトータル的に良い選択ができる可能性が高まります。
第一子が小学校に上がる前年夏までがお勧めの理由
家族構成が決まったからといって、『じゃぁ買いましょう』と気軽に買えるものでもない住宅。
購入となると、近辺の様子を再度確認したり、それこそ小学校の評判を聞いてみたり、住宅ローンを組んだり、そのためにお得な方法などいろいろ調べたり考えたり…
仕事&子育てをしながらの共働きにはかなりの負荷がかかります。
そろそろ買いたいなぁと思っていても、実際に購入に至るまでに時間がかかることもあるかもしれません。
でもできれば、小学校に第一子が入学する前年夏までには購入を決めましょう!
なぜなら、一般的に公立の小学校の入学前健康診断等があるのは前年秋ごろ。
できれば、そのころには転居しておき、入学前に来年度の一年生が集まる貴重な機会にどんな状況か確認しておきたいものです。
また入学までの学校公開日(在校児以外の保護者等も見学できる)や学校行事に子供と足を運ぶことで、入学前に小学校の雰囲気に慣れておくということは、子どもにとっても親にとってもプラスです。
転勤がある場合
転勤がある場合の考え方
ここまでは家族構成中心の話をしてきましたが、住宅購入のタイミングを悩む理由として代表的なものの一つに、転勤リスクをどう考えるか?というものがあります。
転勤リスクを伴いながらの住宅を購入するかどうかの分かれ目は、『単身赴任をどう考えるか?』ここが一つのポイントになります。
例えば夫がそれなりの手当てを受けながら単身赴任をすることで、家族がずっと住み続けるということであれば、子どもの転校を考える必要もなく、住宅を購入してもいいと思われるケースもあるでしょう。
『家族はみんな一緒に生活するのが基本』と考える家庭であれば、住宅を購入するタイミングではないかもしれません。
会社によっては一定の年齢で転勤者リストから外れるというケースもあり、家族で引っ越しをすると考える家庭であれば、転勤者リストから外れて以降で考えるというのが現実的な路線です。
購入に備えて、賃貸時期にできること
そんな悠長なこと言ってたら、どんどん購入が遅くなる…!
子供の家族構成が決まるまで待っているのが不安…!
同世代がどんどん住宅を購入する中で、賃貸で生活し続けることに不安を感じる人もいるかもしれません。
現実問題として、住宅ローンを組める期間も短くなるでしょうし、アラフォー出産ママであれば教育費と老後資金が重なる上に、住宅ローンがのってきたと考えるだけでも目まいがしそうです・笑
『住宅を購入しない、でも将来的には購入を考える』という方であれば、まず分かりやすくお勧めなのが、現在の手取り収入の3割程度(目安。厳密にはライフプランの作成の上確認をするのがお勧め)を貯蓄に回せるような家賃に住んだり、生活スタイルにすること。
そう、購入までにお金を貯めるのです。
そして、それを運用し将来の住宅購入資金のために資産形成をしていくのです。
当たり前ですが、住宅って、ローン組むだけでなく現金でも買えます。
まとめ
DINKSで子供はこれからも持たないと決めている共働き夫婦や、独身で身軽に動ける単身者と違って、子どもの教育が絡んでくる子育て世帯の住宅選びには、また違った視点で決断することが必要になってきます。
『ローンが払えなくなったら、気に入らないと思ったら、ライフスタイルや価値観が変わったから、そんな時は引っ越せばいいや。』
…とそんな簡単には動けない共働き子育て世帯。
しかもアラフォー出産ママだったら、少しでも家探しや引越しの労力、不動産の売買手数料をカットして、子供と過ごす時間を増やしたり、老後資金の足しにしたりしたいところです。
今後も投機的な観点から、今後も『今が買い時!不動産』『住宅ローンは史上空前の低金利!』という情報に心動かされることもあるかもしれません。
でも、賢く幸せな決断をするのであれば、目先の損得に囚われないことが、まずは大切です。(しかも時間の経過を見てみないとそれが得か損だったかわからないような損得)
人生のお金に関わる大きな支出に関して決断しなければならない時は、まずはあなたのライフプランを決断の軸に置いてください。
- ・子供が生まれた後、家族構成が決まってから購入
- ・第一子小学校入学前年の夏までに購入
- ・転勤があり買わない場合は、しっかり貯めて運用!
ライフプランを軸において考えると、人生3大資金であるあなたの教育費・老後資金・住宅費を上手くマネジメントできる可能性をぐっと高めます!