2019.10.09(Wed)
晩婚夫婦。独身時代の貯金のカミングアウトはどうすべき?
貯蓄バリバリキャリアで頑張った…、
そうでなくとも、それなりに独身期間は長かった…、
そんな方であれば、生活面においてもお金面においても
様々なことが自分仕様になっていて、それが当然という日々だったに違いありません。
でも子供が生まれて、
『急に計画がリアルになってきたなぁ』と感じたことはありませんか?
例えば、子供が10歳のころにはママは50歳で、
18歳になったら、大学に行くお金が毎年100万円近く4年間かかってきて…
独身だったり、夫婦二人の生活だったりすると
『疲れたら地元に帰ってのんびりやるわ…いつか分かんないけど。』
…そんなノリでいたかもしれませんが、子供が生まれると
現実味帯びた将来が急に鮮明になります。
アラフォーで出産。教育費と老後資金を本気で貯めたいなら。
そんなわけで子供の出産を機に、夫婦間でお金の話が増えるのはよくあることです。
そんな時、『シングル時代に貯めたお金、パートナーに話したほうがいいのか?』
『みんなはどうしているんだろう?』と悩んでしまうママもいるはず!
色々なご夫婦・お考えの方がいらっしゃることと思いますが、
FPとしては、断然『独身時代の貯金をお互いカミングアウトすること』をお勧めいたします!
今回は、お勧めする理由としてカミングアウトするメリット、
リスクとして考えられるデメリット、をお伝えしていきます。
カミングアウトしたときのメリット
貯めていた場合
どちらかがカミングアウトした場合、相手も正直にカミングアウトしてくれることが多いものです。
お互いの資産が分かることでの最大のメリットは、
『今後のお金がかかる計画が一気に立てやすくなること!』です。
例えば、
『二人の資産を合わせると、〇〇〇〇円くらいの住宅が買えそうだね~ 』とか
『私は保険で積み立て沢山しちゃってるから、〇〇(夫さん)は投資しようか?』とか
二人のトータルの資産で最適な計画や運用をすることができます。(ここ大事!)
この無駄がない計画が立てられること⇒
『効率の良い資産形成』につながり、結果として、
『お金に対する不安をなくす』好循環を生み出します。
あんまり貯めていなかった場合
確かに、アラフォーで出産してこれからお金がバンバンかかるのに
『貯めてこなかった』というのは残念なお知らせです。
しかし、ここでも、貯めてないなら貯めてないなりに
その事実をお互いが共有できれば、早くから本気で手を打つことを始められます。
一番よくないのは、お互いの資産を把握せず
『たぶん、向こうは貯蓄してるだろうから…』と
現実を直視せず、身の丈に合わない住宅ローンを組んだり、投資をしたりすることです。
また、夫婦でお金の話をしないことによって、
危機的状況にあるにもかかわらず、
ぎりぎりになるまでその事実に気が付けないこともあり得ます。(最もよくないパターン)
スタート時点で貯蓄がなくても、
二人で本気で同じ方向に向かっていく心構えと
行動があれば、決して遅すぎることはありません。
お互いの資産をカミングアウトしたことをきっかけに、
夫婦共に資産形成を本気で考えるようになることが最大のメリットとなるでしょう。
カミングアウトしたときのデメリット
もし、どちらかに大きな資産があった場合、
特に今まで貯めていなかったほうは、『ま、沢山あるし、いっか。』
と脇が甘くなる可能性があります。
決してそれが、ライフプランを実現するために十分な金額でなかったとしても
今まで貯蓄していなかった方にとっては大金。
金額にもよりますが、
『これは、決して学費や教育費、老後資金を含めるとまだ十分でない』
ということをちゃんと相手に理解してもらう必要があります。
カミングアウトすることによって、相手が仕事をしなくなってしまうようであれば、やめておいてもいいかもしれません。笑
*ちなみに、民法によると
独身時代に気づき上げた資産は、夫婦の共有の財産にはなりません。
将来何が起こるかは誰にも分からないので、結婚後に夫婦で築いた財産と結婚前にご自身で築いた財産の線引きは、しっかりしておきましょう。
まとめ&どうしても相手に聞きにくい時は…
このように考えていくと、
『お金のことをちゃんと把握しないまま来てしまった…』という場合でも
ちゃんと把握し、話し合うことで
・今後の資産計画を無駄ない形で立てることができる
・お金に対する不安が解消されやすくなる
・将来望むことを計画通り実行できる可能性が高くなる
・身の丈に合わないローンや投資での破たんを避けることができる
・夫婦一緒に協力して、今後の資産を形成するきっかけとなる
のであれば、独身時代の資産をカミングアウトすることは十分な価値があると考えます。
例え今まで貯めてこなかったり、
貯めても貯めても不安が消えない状況だったとしても
それが大きく変わるきっかけとなります。
『お互いの資産をカミングアウトする重要性は分かった…』
…としても
お金に関して、あまり話し合ってこなかった夫婦は、お金について言い出しにくい・聞きにくいということはよくあるようです。
そんな時はどうするか?
実はこんなときこそFPの出番だったりします。
二人だとズバッと聞けない、
二人だと結論がないまま、時間だけが過ぎてしまう…
そんなことが続くようであれば、第三者の手を借りることも検討しましょう。
一番よくないのは、『将来、問題になりそう…』と気が付いていながら
見て見ぬふりをして時間を経過させてしまい、
資産を形成するための選択肢をどんどん狭め、
にっちもさっちも行かなくなってしまう状況に、自らを追い込んでしまうことです。
時間はあればあるほど、資産形成のためのお得な選択肢は増えます。
このことだけは、誰にとっても変わらぬ事実です。